アインホールディングス大谷喜一社長が語る成長戦略③

経済総合

 アインホールディングス(本社・札幌市白石区)の大谷喜一社長が6月28日、札幌証券取引所で個人投資家向け会社説明会を行った。2019年4月期決算の概要を説明するとともに20年4月期の計画や中期的な成長戦略を語った。大谷社長が語ったアインHDの今とこれからのダイジェスト版3回目を掲載する。(写真は、札証で講演するアインHD・大谷喜一社長)

「トップライン(売り上げ)をきっちりと上げて利益も上げいくためには、薬局の機能強化が必要。薬局はそんなに大きなものではなくせいぜい50坪くらいの広さ。例外的には敷地内薬局が300坪くらいあるが大半は50坪くらいの規模。機能強化には、薬剤師のレベルを上げていくことがすごく重要。対応が悪いなど患者さんからお叱りをいただくこともあるが、そこをしっかりやっていくことによって患者さんから評価され収益を押し上げていくことに繋がる」

「そういう意味では人材が極めて重要だが、今年は約250人しか採用できなかった。当社はこの10年間、業界で常にトップの採用者数だったが、今年はトップを陥落してしまった。業界で最も大きいのにもかかわらず採用がうまくできなかった。採用が勝敗の全てを分けるといっても良いだけに大変残念なことだ」

「採用が勝敗を分けるというのは、調剤薬局のルール変更があったからだ。それは大学病院や公的病院などに敷地内薬局を設置できるようになったこと。敷地内薬局はすごく重要なポイントで、調剤薬局業界が大きく変わってしまうことになるからだ。便利で近ければ当然、患者さんは敷地内薬局を利用するからだ」

「先ほど言ったように当社は借金が怖くて大学病院などの門前の一等地を押さえられず出店できなかった。そのことが逆に有利なポジションになってくる。門前に薬局がないから敷地内薬局の設置に積極的に取り組めるからだ。敷地内薬局の場合、薬剤師は多い場合で100人、普通でも70~80人は必ず配属しなければいけない。そこには新人を配属できないからベテランを配属することになるため人材採用と教育・育成が成長戦略の一丁目一番地。それがなければ成長することができない」(続く)
※2019年7月9日記事一部修正しました。

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