真弓明彦・道経連新会長「フェース・トゥ・フェースで議論する」

経済総合

 北海道経済連合会は13日、札幌市中央区の札幌グランドホテルで開催した総会で第10代の節目となる会長に真弓明彦・北海道電力社長(65、6月26日の北電株主総会後の取締役会で会長に就任)を選出した。8代、9代と北電副社長経験者が会長を務めたが、初代から7代まで続いた社長経験者が会長ポストに就く体制に戻った。(写真は、道経連の真弓明彦新会長=左と髙橋賢友前会長)

 この日、新旧会長が揃って会見。2016年から3年間会長を務めた9代の髙橋賢友氏(65、元北電副社長、北電工業会長)は、「食、観光、ものづくり産業の強化のほかIoTの社会実装や宇宙産業の振興など新しい可能性への種蒔きができた」と述べた。また、道内7空港の一括民営化について国と道に2度、提言・要望書を道内経済4団体で提出したことに触れ、「4団体が連携して取り組んだことが印象に残っている」と話し、北海道商工会議所連合会、北海道経済同友会、北海道観光振興機構との連携が進んだことを強調した。

 新会長の真弓氏について、①電気事業の変革期に北電社長として経営手腕を発揮した②電気事業連合会副会長として中央や他地域とのパイプがある③道内各地のオピニオンリーダーと意見交換して交流があるーーことを掲げ、「連携を今まで以上に強くできる。強いリーダーシップで北海道の経済界を牽引してもらいたい」とエールを送った。

 真弓新会長は、「他団体との連携を密にして北海道の持続的発展に全力で取り組んでいく」と決意表明。さらに北海道の最大の課題は、人口減少に伴って引き起こされる生産減少、消費減少と捉え、「食と観光の付加価値向上をさらに進め世界の需要を取り込むとともに、ものづくり産業の基盤を強化して北海道の稼ぐ力を高めることが重要。その道筋をどうつけるか、推進の工夫を重ねたい」と訴えた。
 
 また、全国一高い電気料金について、「安定した電力供給のためにもエネルギーのバランスを取りながら原子力、再生可能エネルギーを取り入れていくのが大事。泊原子力発電所の再稼働に向けた取り組みは引き続き全精力、総力挙げて取り組んでいきたい。原子力再稼働によって電気料金低減を図っていけば北海道経済にもプラス効果が出てくる」とした。

 会見の中で真弓新会長が強調したのは「フェース・トゥ・フェース」という言葉。真弓新会長が率いる道経連の新体制は副会長3人を増員して10人体制とし、そのうち5人が新任と大きく顔ぶれが変わる。「食、観光、ものづくり、インフラ、地域経済など様々な意見をフェース・トゥ・フェースで議論する体制が築けた」と述べた。

 8代会長の大内全氏も9代会長の髙橋氏も期せずしてトップの座に就き、道経連の発言力低下を心配する声もあったが、両名の飾らない親しみやすいカラーが経済界の連携促進に一役買ったのは確か。真弓新会長は、なるべくしてなった会長だが、ソフトな物腰の割にはグイクイ人の懐に飛び込んでいきそうな無垢な目をしている。これから4年もしくは6年の任期中にどれだけ北海道経済の持続的成長に向けた道筋がつけられるか、力量が試される。

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