ガソリンスタンドやホテル事業を展開している中和石油(本社・札幌市中央区)は、ベトナム・ハノイでの不動産事業を強化する。6月中にも中古マンション2戸を取得して賃貸事業を開始、現地でのノウハウを習得して賃貸、分譲の本格展開に乗り出す。(写真は、中和石油の杉澤謙次郎代表取締役)

 中和石油は昨年、ベトナムのハノイ市コウザイ地区に現地法人「中和ベトナム」を設立して不動産事業の足掛かりを作った。1年間は許認可の仕組みや現地マーケットの収集に費やしたが、6月にも3LDKマンション2戸を取得、改装して賃貸を始める。ハノイでは、中国や韓国の企業が現地法人を設立するケースが増えており、賃貸需要が見込める。

 来年にも50戸程度に保有戸数を広げるとともに中古の分譲マンションを丸ごと取得して、清掃やクリーニング、食事のサービスなども行うホテルとアパートの中間の機能を持つサービスアパートメントを展開する。数年後にはサービスアパートメントを10棟展開、1部は100室以下のホテルとしても活用する。

 中和石油は、ハノイで日本語学校も運営している。将来的には日本語学校の学生に現地ホテルで技能を高めてもらった上で北海道のホテルへ派遣することも想定している。杉澤謙次郎代表取締役は、「ベトナムは高い成長を続けており伸びるマーケットで足掛かりをつかみたい。また、北海道の労働力不足をベトナムの労働力で相互補完できる仕組みを構築したい」と話している。


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