札幌証券取引所の2019年3月期決算は、剰余金が1923万円で前期の6405万円から7割減となった。前期に累積欠損を解消したことに伴い法人税が773万円から2052万円に大幅に増加したことが響いた。(写真は、札幌市中央区の札幌証券取引所)

 収入面では、会費収入のうち特定正会員の定額会費を5年前に値上げした一般正会員と同様に見直したことで定額会費が約2000万円増えたが、売買代金に連動する定率会費が売買代金の4割減によって3356万円減少、結果1億5565万円と前期比8・3%減。

 上場賦課金は、RIZAPグループやエコモットの第三者割当増資、FUJIジャパンのアンビシャス市場への新規上場などにより2706万円と前期より約500万円の増加となった。これらの結果、収入は2億2058万円で前期比4・6%減。

 支出面では、期中に2人を新規採用して人件費が上昇したほか、2階会議室を間仕切りして利用できるようにしたため施設費がアップ。さらに前述した累損解消に伴う法人税率上昇により支出合計は2億135万円となり、収入から支出を差し引いた剰余金は1923万円になった。

 13年3月期に会費見直しなどを実施して以降、黒字体質に転換。合わせてRIZAPグループの売買が活況で、代金の9割を占めるいびつさはあるものの堅調な収益の源になっている。20年3月期は、マンション開発の日本グランデがアンビシャス市場に新規上場することもあり19年3月期並みの業績を予想している。なお、札証は1950年4月1日が立ち合い開始で、20年4月に70周年の記念セレモニーを予定している。


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