札幌・大通東2にニトリHDが美術館・ホテルの複合施設 

経済総合

 かんぽ生命札幌支店跡地で、現在は観光バス専用駐車場として利用されている札幌市中央区大通東2丁目の市有地(約1157坪=3819・53㎡)にニトリホールディングス(HD、札幌本社・札幌市北区、東京本社・東京都北区)が、ニトリ美術館を含めたホテル複合施設を建設する。市がこの土地の借り受け先を探すために実施した公募型プロポーザルで、選定委員会(委員長・岡本浩一北海学園工学部教授ほか6人)が20日、2社の提案からニトリHDの案を選定した。(画像は、ニトリHDが整備する複合施設の外観イメージ=大通東2丁目の土地利用に係る公募プロポーザル審査報告書から)

 プロポーザルの審査は、満点を100点とし、ニトリHDが82・9点、次点提案者は76・1点だった。ニトリHDの提案は、芸術・文化・歴史・観光の複合施設とするもので、地下2階、地上10階、延べ床面積は約8327坪(2万7480㎡)、建物の高さは45m。旅をテーマにした情報館を1~2階に、美術館を3~4階に、ホテルを5~10階に配置する。ツーリストセンターや観光バス乗降場は1階に、地下は駐車場にする。

 土地賃借料は年間で3670万円。貸付期間は50年間。ニトリHDは、公募型プロポーザルで入札を行った例はほとんどなかったが、今回は初の大型入札で最優秀提案を獲得した。

 複合施設は、大通公園西端の札幌市資料館を考慮して東端の象徴的景観とするほか壁面のデザインにも賑わいを感じられるようにする。地下は地下鉄東西線コンコースと接続させて創成川イーストの歩行回遊性を高めることも謳っている。審査委員会は、《日中はもとより夕方以降も人々の多様な賑わいや回遊性の向上も期待され、これまでの中心部には見られない魅力を有したもの》と講評している。

 また、付帯意見として《赤字のリスクを認識して提案している美術館の運営について、確実な事業継続のため市と書面を交わすこと》となっている。なお、次点提案をした企業について、《全国で事業展開している商業施設の開発・運営など豊富な実績の焼き直し的な印象》と講評した。ニトリHDは、2022年度にも着工し、23年度の竣工を目指す。

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