2016年9月末に閉店した旧西武旭川店のうち建物がそのまま残っていたB館がいよいよ解体されることになった。既に更地になっているA館跡地とともにJR旭川駅前に1500坪を超える巨大な更地が出現することになる。(写真は、解体工事が始まる旧西武旭川店B館)
旧西武の残像のように駅前に屹立していたB館。A館がそごう・西武(本社・東京都千代田区)主導で早々と解体され、良くも悪くも市民の記憶から遠ざかっていったのに対して、B館は当時の状態でそのまま残り、かつての賑わいとは似つかない寂寥感を周囲に漂わせていた。
B館は、地元の地権者らが建物を建て旧西武と賃貸契約をしていた建物。撤退にあたり地権者らはそごう・西武から預かっていた敷金を返還したが、自力で解体する力はなかった。このため、土地建物を地元の前田住設に売却。同社は当初B館をリノべーションしてインバウンド向けホテルなどを想定していた。結局、建物の構造上、リノベは無理と判断、年内にも解体に着手することになった。
撤退から2年3ヵ月、B館解体によってようやく旧西武の残像を断ち切り、次のステージに向けて踏み出すことになる。なお、A館跡地の大部分を所有する旭川発祥のツルハ(本社・札幌市東区)は、21年中にツルハドラッグなど商業施設とホテルが入る複合ビルを竣工させる計画。
B館が更地になる19年秋口には、仲通りを挟んだA館跡地を含め約1500坪の巨大空間が生まれる。旧西武によって形作られてきた地域の風土は封印され、新たな胎動が始まる。