有価証券報告書の虚偽記載の疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(64)。日産自動車の内部調査では会社資金の私的な流用などの不正行為も明らかになった。そんなゴーン元会長について、ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長兼CEO(74)は、「ゴーンさんの強欲な面が出た」と述べた。(写真は、札幌市内で講演する似鳥昭雄氏)

 似鳥氏は、22日に札幌市内で行われた講演会で、『リーダーが育つ55の智慧』について話した中で、ゴーン元会長について言及。「創業者が去って何年か経つと会社がおかしくなることがよくある。それは、創業者精神を忘れるから。サラリーマン社長になって『売り上げだ、利益だ』となると、やってはならないことをやったりする」と述べた上で、ゴーン元会長の有価証券虚偽記載に触れ、「一概には言えないかもしれないが、ゴーンさんの強欲が出た。やっぱり私利私欲はいけない。僕は基本的に公正で清廉潔白。清く正しく、どんな人に対しても平等にと自分の人生に誓いをしてずっと(その誓いを)持ち続けてきた」と話した。

 役員報酬が年に1億円以上の役員は、2010年3月期に氏名と報酬額を有価証券報告書に記載することが義務化されている。日産自動車の18年3月期の役員報酬は、ゴーン元会長が7億3500万円、西川廣人社長は4億9900万円と記載されている。ゴーン元会長の報酬総額は8年間で合計78億9100万円となっていたが、未記載の80億円のうち50億円を有価証券虚偽記載として東京地検特捜部は同氏を逮捕した。

 なお、ニトリHDの18年2月期の有価証券報告書には似鳥氏の報酬額が記載されている。それによると基本報酬1億9100万円、ストックオプション2700万円、賞与1200万円で合計2億3100万円となっている。


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