大阪証券取引所と札幌証券取引所、独立行政法人中小企業基盤整備機構北海道支部は22日、札幌グランドホテルで「札証・ジャスダック北海道フォーラム」を開催した。昨年に続いて2回目の開催で、道内企業の上場を支援するのが目的。大証の松本学副社長は、「道内には情報関連やバイオなど革新性をコンセプトにした有力企業が多い。大証ジャスダックも日本市場の革新性を追求しており様々な関係が築き上げられる」と述べ、上場支援を積極化する用意があることをアピールした。(写真は挨拶する大証の松本学副社長)
大証は日本市場の活性化を進めるために、信頼性・革新性・国際性を訴求しその一環として地域企業の上場支援を行っている。全国各地でフォーラムを開催し地域企業を支援・サポート、地域活性化を目指しており、札証との共催によるフォーラムは昨年に続いて2回目。
フォーラムには、道内上場会社のほか上場を目指す企業の担当者、監査法人や金融証券会社などから約60人が出席した。
当初は、大証の米田道生社長が主催者として出席する予定だったが所用で欠席、副社長の松本氏が代わりに顔を見せ、道内企業との情報交換を行った。
フォーラムでは、札幌市のヒューマン・キャピタル・マネジメント社長でドラッカー学会理事を務める土井尚人氏が「ドラッカー哲学を活かした経営とイノベーションの創造」をテーマに90分間講演。
土井氏は、「北海道の経済をバックミラーで見ると土土砂降りの景気が続いているが、フロントガラスに広がる風景には巨大なビジネスチャンスがある。変化は常態であり変化を利用してチャンスと捉えることが大事」と述べ、徳島県上勝町の葉っぱ会社『いろどり』の成功例を出しながら、「チャンスは心構えのある者を好む」と参加者の奮起を促していた。
札証の小池善明理事長は、「北海道はアジアの活力と東日本大震災の復興需要をどう取り込んでいくかが課題。そのためにも活力のある企業が出てこないといけない。上場は活力を生む原動力になるもので、多くの道内企業が上場を目指すことが期待される。札証、大証ジャスダックは協力して上場企業の発掘、証券市場の利用をお願いしていきたい」と挨拶した。
フォーラムの主な主席会社は以下の通り。石狩開発、エコノス、エコモット、エスジーコンサルティング、玄米酵素、正栄プロジェクト、日本グランデ、ハミューレ、ジーンテクノサイエンス、北海道旅客鉄道、システム・ケイ、トライ・ビー・サッポロなど(非上場のみを抜粋)