「50歳で年商60億円になったのを機に株式を公開。しかし、ビジネスの将来性を考えると、紳士服などファッションだけでは成長がないと思い、60歳の時に結婚式場の展開とエンターテインメント事業(カラオケとカフェ)を始めた。何事にもオンとオフがあると考え、ファッションがオンならオフはエンタメだと、オフの分野でイノベーションを起こそうと考えて始めた事業だ」
「いずれにしても60年間経営をしてきて一貫して考え続けているのは、人間を磨き、格を高める経営のこと。マイナスからスタートした私は、どんなことがあっても当たり前と考えるようになった。経営者の心構えとして必要なのは、『何があっても、だから良かった』にする努力と執念と根性。どんなに逆境でも75日間我慢すると好転する。苦しい時に、知恵を絞ると必ず75日が経過してから生きてくる」
「人間性を高めるのはオンとオフを切り替えることだ。オンをプラスにするためにもオフが大事。例えば勝海舟は、江戸城無血開城を実現した。しかし、多くの人は自分を諦めさせるために『勝海舟は女癖が悪い』で済ませてしまう。こういう方は絶対成功しない。オンの部分を見てどのように生き、どのように社会に貢献したのかを評価して学んで全力を尽くす考えを持っている人は成功する」
「オフの部分を自分の慰めにしてはいけない。どんな人でもオンもオフもある。オンの部分を見て学び、素直に成長してもらいたい。オフを見て慰めの言葉や慰めの見方をすることは絶対にやるべきではない」(この稿終わり)