札幌・月寒のラーメン店「玄咲」閉店、店主「本音は暖簾を継いでほしい」

経済総合

 札幌・月寒のラーメン店「玄咲」が9月28日で営業を終了する。同店は1972年に開業し、85年に現在地で営業を始めた。後継者がいないことや人件費上昇、売り上げの低下などによって閉店することになった。跡地には、数年後に医療関係の施設が建設される予定。20180913_130322(写真は、9月30日で閉店する「玄咲」月寒本店)

「玄咲」は、車の高速洗車場「和興」を経営していた吉田征夫氏が、72年に転身して始めたラーメン専門店。高速洗車場の経営に携わっていた当時に、「氷温」技術と出合い、食べ物にこの技術を利用することを思いついた。試行錯誤の末にたどり着いたのが「氷温熟成」。氷点下でも凍らない温度帯によって麺の旨みとコクを引き出す製法。

 これを元に85年に現在の札幌市豊平区月寒中央通11丁目に「玄咲」を移転オープンさせた。人気メニューは、氷温熟成させた麺を使う塩ラーメンの「龍舟麺」。あっさりした塩味に野菜や豚肉、貝のツブが入っている。

「玄咲」を経営する創和の吉田代表取締役は、「お客さまから辞めないでほしいという声をたくさんもらっていますが、私も80歳を超え後継者もいない。また、人件費の上昇や売り上げも落ちていることなどから、今がちょうど良い辞め時と考えました」と閉店の理由を話す。

 その上で、「本当は『玄咲』の暖簾を承継してほしいと思っています。ただ、現時点では手を挙げる人がいない。今後、やってみたい人がいれば声を掛けてほしい」と語っている。なお、厚別区大谷地東3丁目のキャポ大谷地店も9月末で閉店する。

 店名の玄咲は、玄関に咲く、クロウトになって花を咲かすなどの意味を込めたという。
※記事アップ後に玄咲の閉店日が9月28日に繰り上がりました。9月30日で営業終了の記述を変更しました(2018年9月25日修正)。

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