巨大な船の形をした札幌市北区新川の天然温浴施設として人気があった「ビッグシップ」が解体され、更地になったのは2013年8月。それから5年、トヨタ部品北海道共販(本社・札幌市豊平区)が仮称「新川営業所」を建設することになり、ようやく跡地の全面活用が決まった。(写真は、トヨタ部品北海道共販が建設する仮称・新川営業所の用地。奥に見えるのがサ高住「らくら新川」)
この土地に、ビッグシップが出現したのはバブル期の1987年ころ。丸増(東京都千代田区)が建設、温浴施設として人気があったが、2000年に土日ディスカウントやパワーセンターで急成長したカウボーイ(札幌市)が取得して「グルメシップ」として運営。しかし、その後は所有者が二転三転、11年4月からは「じょいくるーず天然温泉ほんのり湯」として12年11月まで営業が続いた。
13年2月にパチンコホール運営の新和グループの子会社が土地を取得してビッグシップは解体され、同年夏から更地の状態になっていた。
それから5年経った18年7月、更地の北側に介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどを運営している「らくらグループ」(札幌市中央区)のグループ会社、フェルネット(同)が運営するサービス付き高齢者向け住宅「らくら新川」が完成、事業を開始している。
トヨタ部品北海道共販は、残りの更地を利用して新川営業所の建設を開始する。同社は、1969年に全国で5番目のトヨタ部品の共販会社として設立され、17年3月期の売上高は約332億円。14年10月に札幌市豊平区西岡4条1丁目の水源地通沿いに新本社を建設、道内5支社、15営業所体制で運営している。新川営業所の設計、監理は浅井建築設計事務所(札幌市豊平区)、施工は丸彦渡辺建設(同)。竣工は19年2月末の予定。「ビッグシップ」跡は新たな役割を担って歴史を刻んでいく。