たれ、だし、スープのOEM(相手先ブランド)供給を主力にしているアイビック食品(本社・札幌市東区)は、本社工場を増築、生産能力を倍増させる。土地取得費を含み約5億円を投資、6月に着工して10月ころから稼働を始める。(写真は、札幌市東区苗穂町13丁目にあるアイビック食品の工場)
アイビック食品は、20年前に電電食堂(現デンショク、本社・札幌市中央区)のたれ製造部門を承継したのがルーツ。当初は、食堂受託業務の電電食堂向け専業だったが、10年ほど前からたれ、だし、スープのOEM供給を開始して外販を強化してきた。
道内のラーメン店やステーキ店、焼肉店、ジンギスカン店などの外食産業向けなどに需要が拡大していったため、2017年3月には東区苗穂町13丁目に新工場を建設して生産能力を増強した。また、18年1月には工場に隣接して3階建ての新本社ビルも設置した。
工場建設には約8億円を投じたが、操業当初からフル稼働状態に入っている。外食産業では人手不足などによって調理が簡単なワンクックのニーズが高まり、同社のたれ、だし、スープ類の販売は好調。今後も需要は拡大すると見越して工場増設を決めた。
既存工場に繋げて増設する計画で、延床面積は倍増、生産能力も倍増させる。工場の従業員は約30人で昨年12月からは外国人技能実習生3人も受け入れている。
(写真は、アイビック食品の競争力の源泉にもなっている本社2階のテストキッチン)
アイビック食品は、たれ、だし、スープの原料に北海道産の素材を使用しているほか、本社2階にはテストキツチンを設置して納入先企業と共同で試作ができるようにしている。店舗をイメージした厨房とフロアをリアルに再現、最終商品をチェックできる。また、納入先企業の店長研修なども行える部屋を備えており、こうしたソフト面の充実が成長を後押ししている。
牧野克彦副社長は、「18年11月期は約22億円の売り上げを計画し、22年には40億円規模まで引き上げたい」としている。