札幌証券取引所は、東京証券取引所1部上場の車体部品専門メーカーであるジーテクト(本社・さいたま市大宮区)の個人投資家向け説明会を26日に開催した。会場となった札証2階会議室には市内外の個人投資家ら約60人が集まり、ジーテクトの会社概要や成長戦略を聞いた。(写真は、札証で個人投資家向けに施説明するジーテクト・吉沢勲取締役常務執行役員)
ジーテクト(G―TEKT)は、1952年設立の高尾金属工業と53年設立の菊池ボデー工業が2011年4月に合併して発足。社名のGはグローバル、現場のGでTEはテクノロジー、Kは菊地ボデー工業、Tは高尾金属工業の頭文字から取ったもの。
4輪車にトヨタや日産より遅れて参入したホンダのボディ部品の外注先として成長。1980年代からホンダの海外進出に伴って海外生産も本格化、17年3月期の売上高は2061億円、営業利益は144億円で海外売上高比率は76%と高い。
成長段階ではホンダ向けオンリーだったが、現在は非ホンダ向けが3割を占め、スバル、トヨタ、マツダなど殆どの日系完成車メーカーのほかジャガーやBMWといった欧州高級車メーカー、中国の北京汽車にも販路を広げている。
説明を行ったジーテクト取締役常務執行役員の吉沢勲氏は、「当社の滋賀工場(甲賀市)からトヨタの本丸である元町工場(愛知県豊田市)にクラウンの車体部品を納めることになった。国内のトヨタビジネスでは当社の群馬工場(太田市)、栃木工場(塩谷郡高根沢町)に続き3拠点目になる」と話した。
また、今年4月から稼働を開始する研究開発棟『ジーテクト東京ラボ(GTL)』(東京都羽村市)について、「40億円を投じて建設した拠点で、完成車メーカーや大学と共同開発を進めるなど若い人材を引きつけたい」と語った。
21年度を最終年度とする中期事業計画では売上高3000億円、営業利益200億円を目指しており、「英国のグロスター工場にアルミ車体部品の量産設備を導入、アルミボディの量産ノウハウを蓄積するほか、スロバキアではジャガーランドローバー社の現地生産に参加して日系初のアルミボディ量産工場を19年夏から稼働させる。このことによって本場ドイツメーカーの軽量化受注を狙いたい」(吉沢氏)と強調していた。