土屋ホーム(本社・札幌市北区)創業者で現在、土屋ホールディングス(同・同)創業者会長の土屋公三氏(77)が主宰する「人間社長塾」。そのOB会(会長・中村信二人材育成・教育プランナー)が10日、札幌市中央区のロイトン札幌で講演会を開催した。昨年に続く2回目で、1期生から7期生まで約160人が参加した。(写真は、魂の講演をする「みやざき中央新聞」の水谷もりひと編集長)
第1部は、全国各地の心を揺さぶる感動話を社説で毎週紹介している「みやざき中央新聞」の水谷もりひと(謹人、57)編集長が、『感性のアンテナを立てて情けに報いる経営を』テーマに講演した。
水谷氏は、明治学院大卒で学生時代に東京都内の大学生と『国際文化新聞』を創刊し初代編集長に就任。その後、1989年に生まれ故郷の宮崎にUターン、ハローワークで見つけた宮崎中央新聞に入社した。
「当時の宮崎中央新聞は、いわばゴロ新聞のようなものだった。数年後に社長が病気で亡くなり奥さんが経営していたが、赤字で廃刊することになって『私がやります』と手を挙げた。帳簿を見ると、有料購読者は500部。とてもやっていけないので諦めようと妻に相談したら『私が部数を増やすからあなたは良い新聞を作ってください』と。これまでの県庁ネタを止め、読んで元気になる、笑顔になる新聞づくりに切り替えた」と今に繋がるきっかけを紹介。ちなみに現在、同新聞の社長は水谷氏の夫人が務めている。
まずは部数拡大と、それまで主婦だった夫人は一軒一軒飛び込みで拡販。1ヵ月無料で読んでもらい、良ければその後有料購読してもらうやり方だった。「3年間は入りにくいところでも飛び込み営業することを決め、銀行や風俗、暴力団関係の事務所でも営業した。しかし、100軒のうち3軒くらいが読んでみようと返事をくれ、1ヵ月後に有料で購読してくれるのはせいぜい1軒。とにかく数を回ろうとコツコツ部数を増やしていった。そうしたら3年後くらいからお客がお客を紹介してくれるようになり、それ以降口コミでどんどん広まっていった」