東京証券取引所1部、札幌証券取引所に上場している病院向け電子カルテシステムを手掛けるCEホールディングス(本社・札幌市白石区)は16日、札幌市中央区の札証で個人投資家向け会社説明会を行った。札幌など近隣の個人投資家約80人が集まり、杉本惠昭(やすあき)社長の話に耳を傾けた。(写真は、札証で個人投資家に説明する杉本惠昭社長)
CEホールディングスは、電子カルテシステムで17・2%のシェア(2016年)を握り富士通に次いで業界2位。導入件数は17年3月末現在で750病院。同社は、20床から299床までの中小病院向けに強いのが特徴。2000年に札幌の北海道循環器病院に納入したのが最初で17年3月末では道内で97病院に納入実績がある。北海道のシェアも富士通がトップだが、杉本社長は「もう少しで追い越せる」としている。
医療費の抑制が求められているため、国は電子カルテシステムの導入を進める考えで、全国約8500の病院のうち現状の34%から90%まで電子カルテが普及すると見られている。とりわけ同社のメーンターゲットである中小病院は現状24%の導入にとどまっており「市場はまだまだある」(杉本社長)と説明した。
同社は19年9月期に向けた中期目標を策定しており、売上高100億円(17年9月期見通し88億円)、株式時価総額100億円、電子カルテ導入病院1000病院を達成することにしている。杉本社長は、「1000病院の大台に乗ると電子カルテでは絶対に負けない会社になれる。ただ、中小病院では導入資金がなくて電子カルテを導入できないところも出てくるだろう。いずれ病院再編は避けられなくなる」と話した。ちなみに17年9月期は、1株あたりの配当金を20円から25円に増配する。
CEホールディングスは、前身のシーエスアイの時代に東証マザーズ、札証に上場し純粋持ち株会社のCEホールディングスになった翌14年に東証1部に市場変更した。「北海道発のIT企業として最初に東証1部に上場したのが当社。またシーエスアイが01年に東証マザーズに上場した際、初値が43万2000円だった。証券コードも4320。証券コードと初値が同じ会社は珍しいんですよ。当社には神様がついている」と会場を笑わせていた。