土屋ホールディングス・土屋公三創業者会長が自分史『苦難福門』刊行

経済総合

 土屋ホールディングスの創業者会長である土屋公三氏(75)が2月下旬に自分史『苦難福門』を刊行した。土屋氏の著作は経営に関するものや働き方をテーマにしたものが多いが、自分の生い立ちや土屋ホーム設立のころの思い、全国制覇を目指して挫折した体験など自らの内面を描写した読み物になっている。これまでの著作は、口述を専門ライターにまとめてもらっていたが、今回は初めて自ら筆を執った。IMG_3092(写真は、土屋公三氏の自分史『苦難福門』)

 土屋氏は、今年1月末の土屋ホールディングス株主総会で取締役会長を退任、顧問的立場の創業者会長に就いた。75歳を区切りにしたいという思いから身を退いたもので、今後は会社に出社せず取締役会にも参加しないことにしている。

 75歳を節目としてもうひとつの取り組みとして昨年春から始めていたのが自分史の執筆。自分ひとりでまとめるのは難しいと考えて、一般社団法人自分史作家育成協会の札幌教室に通い、少しずつ書いていった。この協会を設立したのは札幌在住の中村信二氏(ビジネス書作家、実業家、51)で、奇しくも土屋氏が8年前から始めた人間社長塾の1期生でもあった。

 そんな縁から通い始め、教室に参加した8人とともに月に1回、半年間通いながら時代ごとに自分史をまとめていった。「毎回、教室の8人で読み合わせをするので書いていかないと恥をかくのは自分。これが書く動機付けになりました。大学ノートに鉛筆を使って走り書きのように書いていましたが、本にまとめるにあたってはレポート用紙に整理して出版社と打ち合わせを重ねて完成させました」(土屋氏)
 第1章の「両親と家族」から娘と夫人に向けた「房子と和子へ」まで全15章で、最後に土屋家の家系図も付けて全268ページ。

 土屋氏は、「仕事上のことよりも人生の出来事やゼロから土屋ホームを設立したことなどを書いています。孫やその子どもたちに私のやってきたことを伝えることに主眼を置きました。振り返ると苦労ばかりでしたが、節目、節目で人のバックアップがあったからこそ今日があると思う。そんなことから『苦難福門』というタイトルを付けました」と話している。

 また、土屋氏はこうも言う。「大勢の人に自分史をまとめてもらいたいですね。そうすることによってその人の孫などに生き方を伝えることができます。孫や子孫は生かされているということに気づき人生を大切に過ごすことに繋がるでしょう」。『苦難福門』は1000部印刷、家族や関係者に配布するという。

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