「パンの後は回転寿司」……。昨年、解体された札幌市西区山の手6条1丁目の北5条手稲通沿いにあった旧北欧パンの工場と博物館。その跡地に、回転寿司のあきんどスシロー(本社・大阪府吹田市)が店舗を出す。オープンは今年の夏。バブルの象徴とされた豪華な建物に代わってコンパクトで実用的な平成の飲食店舗が登場する。IMG_5074
IMG_2876 (2)(写真上は旧北欧パンの工場兼博物館。写真下は、建設が進むスシロー店舗)

 この土地には、昨年9月ころまで、旧北欧パンの工場とパンの博物館が建っていた。1989年に建設された建物は下1階、地上3階建て(延床面積約1300坪)。バブル期に建てられただけに外観の威容さが目を引き、最盛期は利用客で溢れた。
 
 旧北欧パンは、その後バブル期の借り入れ負担に耐えられず2000年を迎えるころには破綻状態になった。旧北欧パンを引き継いだ企業は、数年前にパン工場を他に移設、博物館も10年以上前に閉鎖されてここ数年は空きビル状態が続いていた。
 
 旧北欧パンには、建物を解体するカネもなかったため、土地を所有している根室市の嶋津フローリング工業が昨年9月から建物の解体工事を進め、雪が降る前には更地になっていた。
 
 雪解けとともに新たな建設の槌音が響きだした。あきんどスシローが手掛ける「スシロー札幌山の手店」の建設工事。現在は整地作業が進んでおり、4月から3ヵ月間の工期で店舗を仕上げる。オープンは7月ころになりそう。施工は竹内建設(本社・札幌市豊平区)。道内のスシロー店舗は現在9店舗。札幌山の手店は10店舗目になる予定。
 
 バブルの結末を晒し続けた中身のない威容を誇った建物が去り、平成を映す回転寿司チェーンが姿を現す。琴似発寒川の河畔はようやく空白の20年を乗り越えることになる。


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