(写真は、元谷芙美子氏)
続いて、『私が社長です!』と題してアパホテル社長の元谷芙美子氏が講演。石川県福井市出身の元谷氏は、地元の福井信用金庫に勤めていた当時、隣の小松信金に勤務していた夫で現アパグループ代表の外志雄氏と出逢った。そのきっかけや結婚に至った経緯などを話し、「夫は結婚した翌年に会社を興し、目標を10年後に100億円と設定した。実際には85億円だったが、当時から目標をもって期限を付けた計画を作ることを徹底していた」と語った。
攻めのアパと言われているが、「代表は大胆だが繊細な面もある。東京に進出したころ、バブルが崩壊する寸前だった。何かおかしいと代表は撤退を決め、一旦退いて金沢に戻ることにした。また、名古屋支店はオープン前日に撤退を決め、1日も開かずに閉めた。撤退は進出するよりもお金がかかる。勇気とタイミングが大切だと身をもって代表から教えられた」と述べた。
不動産の取得について、元谷氏は「欲しい時に買うという人が多いが、その認識は間違っている。要る、要らないではなくタイミングで買うのが不動産。経済と同じで不動産にもサイクルがある。今は不動産の一番良い買い時」とした。
話は、2011年に取得した東京・代官山のマンション用地に移り、「入札はスーパーゼネコン7社も参加しアパグループはまさにダークホース。この時には約50億円で当社が落札したが、証券会社を利用した資金調達で銀行には相談せずに新規マネーを利用できた。落札後にスーパーゼネコンが5億円上積みするから売って欲しいという話があったが、代表は断った」と話し、最上階のペントハウスは各部屋から富士山が見え、5億2000万円で販売していることもPRした。
最後にトップの資質が組織の資質を左右することに触れ、「1人のライオン社長がいれば、500人の羊社員もライオンになる。逆のことも言える。トップとはそれほど組織に影響を与える」と締めくくった。