「パンの博物館」解体始まる 北欧館26年間でひっそり幕

経済総合

 かつてパンの博物館として知られた「北欧館」が解体されている。ここ数年は、使われていなかった北欧館だが、3階建ての褐色に近い色合いの建物は、人目を引いていた。既に建物には解体の足場が組まれ、解体が進んでいる。年内には更地になりそうだ。IMG_7943(写真は、解体工事が進み始めた北欧館=2016年9月6日午後撮影)

「北欧館」は、札幌市西区山の手6条1丁目の北5条手稲通沿いにある。琴似発寒川に架かる発寒橋の東橋畔の約800坪の敷地に地下1階、地上3階の延べ床面積約4400㎡が建てられたのは、1990年1月だった。
 当時、隆盛だったパンの北欧がバブル景気に乗じて建設したものでパン工場とパンの博物館、レストランとして運営されてきた。全国的にも珍しい「パンの博物館」は注目を集めた。
 
 しかし、バブル崩壊と金融機関の破綻で北欧は事実上、整理回収機構(RCC)の管理下に置かれるようになった。細々と「北欧」ブランドは続いていたが、創業者と長男の経営をめぐる確執が続くなど経営は混乱、昨年、RCCは北欧館を競売に出した。

 その時点で、「北欧」ブランドは長男が別会社で引き継ぎ、場所を変えて現在もブランドを守り続けている。建物は北欧が所有していたが、土地所有者は根室市の嶋津フローリング工業とそれぞれ異なるため、建物だけを競り落としても土地所有者との合意がなければ次の建物を建設することもできない。結局、競売は成立せず、土地所有者は北欧に建物取り壊しの裁判を提訴して判決を得たが、北欧は資金がないため取り壊せない。それで土地所有者が解体を始めたのが実態のようだ。

 ともあれ、バブルの象徴として現在もその姿をとどめていた北欧館がようやく解体されることになった。建設から26年間は決して長い歳月ではないが、主(あるじ)なき後は無用の長物でしかなかった。発寒橋から見える光景が変わる日も近い。
※2016年9月7日午後、記事一部訂正

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