人材派遣のキャリアバンク(本社・札幌市中央区)は、札幌市内のシティホテルなどにインターンシップによる中国人大学生の紹介を始める。冬のシーズンに道内リゾート観光地向けに初めて行ったが、受け入れ先から好評だったため、今回は夏のハイシーズンに100人規模で実施することにした。人手不足の新たな対応策として注目されそう。(写真は、キャリアバンクの佐藤良雄社長)
キャリアバンクは中国の大学10校と連携、日本語学科や観光学科の学生の単位認定の一環として北海道でのインターンシップ(学生が一定期間企業で働くことを通して仕事の適性を知るトライアル雇用)研修ができる取り組みを始めている。
初回は、昨年12月から3ヵ月間、阿寒や旭川の高級リゾート地の宿泊施設で35人がインターンシップで仕事を経験、本人と宿泊施設を運営する企業が合意して卒業後に就職した中国人もいる。
いずれも受け入れ側に好評だったため、2回目として7月から3ヵ月間、北海道観光のハイシーズンに札幌市内のシティホテルを対象にインターンシップによる紹介を行うことにした。シティホテルなどは、人手不足から中国や台湾からの観光客の母国語対応が難しいという問題を抱えている。
ホテルの仕事は、荷物の持ち運びや食事の対応、チェックイン・アウトなど多岐に亘り日本語学習を兼ねたインターンシップ研修には適している。インバウンドの対応もスムースに進められるため、ホテル側のメリットもある。
キャリアバンクは、100人規模でインターンシップの受け入れ先を募集する考え。受け入れるシティホテルでは宿泊場所の確保と報酬の支払いが必要になる。
北海道の観光は、ハイシーズンとオフシーズンの差が大きく、夏場の人手不足は深刻。キャリアバンクはインターンシップを利用することによってこうしたギャップ解消に取り組む。