北海道新幹線開業を盛り上げる女性経営者2人が参加した産業活性化セミナーが19日、JR札幌駅北口の札幌エルプラザで開催された。函館でハンバーガーチェーン店を運営しているラッキーピエロの王未来副社長と大沼に宿泊施設をオープンさせる鶴雅グループの大西希取締役。2人は新幹線開業に向けてどんな施策を打とうとしているか。IMG_2267(写真は、19日に開催された道経産局主催の『北海道新幹線開業を契機とした産業活性化セミナー』に参加した王副社長=左と大西取締役。同セミナーは、地域資源の国内外への情報発信に取り組む『The Wonder500 北海道セミナー』との共催で実施された)

 王副社長は、北海道新幹線の始発・終着駅になる新函館北斗駅から2㎞強離れた七飯町に17店舗目となる「峠下総本店」を自らプロデュース。オープンしてから3年半で年間32万人が来店する人気店になっている。「函館市とは運命共同体」と言う王副社長は、環境活動にも積極的で環境大臣優秀賞や北海道ゼロ・エミ大賞も受賞するなど持続可能性を追求する。
 新幹線開業に向けてお客と商品を作るコンテストを開催、噴火湾の真イカを利用したイカポッポ焼ハンバーカーを商品化しているほか、持ち帰りのできる商品の開発も進めているという。既にきび団子やミルクカステラ、ガゴメコンブ入りカレー、生クリームカレーなどを開発、「開業までに25種類にして観光客などに持ち帰ってもらって、また来てもらいたい」と話していた。
 
 一方、鶴雅グループは約60年前に阿寒で始めた和風旅館がスタート。10年ほど前に路線を変更し、アイヌ文化を取り入れた「鄙(ひな)の座」をオープン。「和では京都にいつまでも勝てない。阿寒湖だからこそできる体験は何かと考えてアイヌ文化を取り入れました。網走では北方民族に因んだ趣向を取り入れるなど、郷土力を生かした施設づくりでおもてなしをしています」と大西氏は言う。
 8月には大沼でオーベルジュ(仏語で宿泊施設付レストラン)を開業、「名前をエプイにしました。アイヌ語で芽やつぼみ、実を意味する言葉で、大沼公園を最初に見た私のイメージから取りました。グループの既存宿泊施設とは一線を画し、ドレスガーデンなどガーデンに力を入れた施設になります」と話す。
  
 1ヵ月後に迫った北海道新幹線開業をどう地域の活性化に結び付けていくか、二世の女性経営者2人のコラボレーションも期待される。


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