日銀札幌支店は、12月の企業短期経済観測調査(短観)をまとめ14日に公表した。企業の景況感を示す業況判断は、北海道の全産業ベースでプラス3と前回9月短観時点のプラス2より1ポイント上回った。内訳は、製造業ベースが9(前回より1ポイント増)、非製造業ベースが1(同1ポイント増)だった。(写真は、日銀札幌支店)
業況判断は、景況感が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業を引いて算出した数値で、11月11日から12月11日まで日銀札幌支店が製造業119社、非製造業370社の合計489社を対象に調べた。回答率は100%。
製造業で業況判断の最高はプラス33の輸送用機械で以下、プラス25の木材・木製品、プラス20のはん用・生産用・業務用機械と続く。最低はマイナス14の窯業土石製品だった。
非製造業では最高がプラス30の宿泊・飲食サービスで以下、プラス14の不動産、プラス6の卸売。最低は、マイナス15の物品賃貸。
9月の時点と比較してマイナス幅が大きかったのは、物品賃貸で23ポイントの大幅ダウン。以下、窯業・土石生産の14ポイントダウン、宿泊・飲食サービスの12ポイントダウン、金属製品とはん用・生産用・業務用機械が共に10ポイントダウンと続く。総じていえば、公共工事関連の窯業・土石製品、金属製品、物品賃貸の業況判断が大きく下がり、宿泊・飲食サービスも高水準の業況判断を維持しつつもやや陰りが見えているようだ。
企業金融に関して、資金繰りが「楽である」から「苦しい」を引いた資金繰り判断は、全産業ベースでプラス8と9月よりも1ポイント上昇、「楽である」とする企業が増えた。また、金融機関の貸出態度判断は、「緩い」から「厳しい」を引いた数値が全産業ベースでプラス18と9月よりも2ポイント上昇、「緩い」と感じる企業が増えた。
借入金利が「上昇」から「低下」を引いた借入金利水準判断は、全産業ベースでマイナス4、9月時点と変わらなかった。
2016年3月までの先行き予測は、全産業ベースではマイナス7と12月時点より10ポイントの悪化。窯業・土石製品はマイナス43、電気機械はマイナス33、物品賃貸はマイナス22など、製造業で7業種中3業種、非製造業で10業種中6業種が悪化を予測している。
日銀札幌支店の公表資料は、http://www3.boj.or.jp/sapporo/pdf/jikei27/tank201512.pdf