札幌・大通にネオクラシック建築の石屋製菓新ビル

経済総合


札幌市中央区大通西4丁目の秋田銀行ビルがまもなく解体作業に入り、更地にしたうえで北側に隣接する石屋製菓所有の空地を合わせて来年4月から新ビル建設に入る。立地場所は、大通と札幌駅前通が交差する札幌の中心交差点で、東側には今年5月にオープンした北洋大通センターがある。
新ビルは、外装に工夫を凝らし明治時代の面影を髣髴とさせるビルになるという。


同ビルは、石屋製菓と秋田銀行等との共同区分所有ビル。新ビルの完成は、2013年春で、地上12階、地下2階建て。ビルの立地場所は、秋田出身の道産子が秋田銀行を誘致した場所で、秋田県出身者にとっては思い入れの深いところ。ビルの屋上には秋田の地酒「高清水」の広告塔が設置されており、文字通りビルそのものが秋田の広告塔の役割を担っている。
もともとは、秋田銀行と日本生命が共同所有していたが、日本生命の持ち分を石屋製菓が取得、06年ころから建て替えが検討され、ビル6階には建築準備室も置かれていた。
しかし、07年の夏に「白い恋人」の賞味期限表示を巡るトラブルで石屋製菓の石水勲社長が引責辞任、建て替えが凍結されていた。その後、石屋製菓は社内体制を改革しコンプライアンスやガバナンスを整え、ブランドを再構築。昨年から本格的に建て替え準備をスタートさせていた。
プラン策定の段階では、1階を石屋製菓の店舗にすることが検討されたが、銀行は1階の路面店であることが金融界の常識。結局、1、2階に秋田銀行が入り、1階の一部と地下に石屋製菓が直営店を設置することに落ち着いた。
石屋製菓の非常勤取締役で石水社長の石水勲氏は、「ビル外装の意匠は、デザイン専門家で画家の国松登氏の子息にお願いしたが、明治時代から札幌に佇んでいたような外観に仕上がる。神戸にあるようなネオクラシックな建物になる。味があって、私も満足しているので出来上がりか楽しみ」と言う。
新ビルの完成は3年後だが、そのころには北洋銀行出身社長から石水氏の長男への社長ポスト禅譲も行われる見通しで、石屋製菓の新たな歴史が始まることになりそう。
(写真はネオクラシックな建物に生まれ変わる秋田銀行ビル)

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