日銀札幌支店は北海道地域の金融経済概況を23日にまとめたが、それによると「緩やかに回復している」として4ヵ月連続で全体感を据え置いた。雇用や所得環境が着実に改善していることを背景に個人消費が回復しており、観光は国内観光客で個人客を中心に堅調に推移、外国人観光客はアジアを中心に一段と増加しているとした。IMG_3683(写真は、日銀札幌支店)

 需要項目別動向では、公共工事の発注の動きを示す公共工事請負金額が前年比で9月は13・1%減少、4~9月の上半期でも同16・0%減少している。輸出は化学製品などが増加している。
 
 設備投資は、景気が回復する中で売上げや収益が改善し一段と増加。製造業では伸び率が減少したが、大型の高付加価値化投資などによって前年を大幅に上回る計画。また、非製造業でも引き続き大型の維持・更新投資がみられるなか、新規出店などの業容拡大に向けた投資が増加、こちらも前年を大幅に上回る計画になっている。
 
 鉱工業生産は、堅調な海外需要を背景に増加、食料品では乳製品で生乳生産が増加しているため持ち直しているとした。窯業・土石は公共投資減少で生産水準は低下、紙・パルプは新聞用紙を中心に低水準。
 生鮮食品を除く消費者物価指数はエネルギー価格の低下などもあって8月も前年比0・4%減で5ヵ月連続の減少だった。
 
 金融情勢では、預金残高は個人、法人とも増加、貸出残高も法人向けが幅広い業種で増加、個人向けでも増加している。貸出金利は8月時点の4業態平均が1・449%で前年より0・001ポイント低下して3ヵ月連続の低下になった。
 公表リリースは、http://www3.boj.or.jp/sapporo/pdf/jikei27/s201509.pdf


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