札幌市営地下鉄東豊線の始発駅「栄町」まで徒歩10分の場所で100区画の宅地が販売される。地下鉄駅徒歩圏で三桁の戸建て住宅用の土地が売りに出されるのは珍しい。2年後の消費再増税を見据えて住宅購入の駆け込み買いが始まっており、販売業者は早期の完売を見込んでいる。(写真は、戸建て100区画が販売されている北39条東21丁目の土地)
この土地は、札幌市東区北39条東21丁目の約2万3000㎡で元自衛隊官舎の建っていた場所。北海道財務局が6月に入札を実施、地場の戸建て住宅メーカーで組織する北海道都市開発事業協同組合が8億8800万円で落札した。周囲は戸建て住宅が広がっている住宅地。
4階建ての官舎を解体して土地造成の開発許可も取得、10月から宅地として販売を開始している。販売価格は坪単価23~29万円で広さは平均約50坪、総区画数は100区画(約1万5000㎡)。
宅地を販売しているのは、道都市開発事業協同組合に加入しているSTV興発、国木ハウス、コスモ建設、三愛地所、大進ホーム、豊栄建設グループ、ホーム企画センター、北海荘建の8社。いずれも戸建て住宅を建設することを前提に販売、土地代込みで4LDKなら2900万円から3300万円になりそうだという。
丘珠空港や陸上自衛隊丘珠駐屯地の道路を挟んだ向い側に当たるが、空港の滑走路と離れており騒音の影響はない。幼稚園や小中学校も近く教育環境は良好。
国や地方自治体が所有する公有地が売却に供されると、立地環境が良ければ大半が全国系のマンションデベロッパーやハウスメーカーが高値落札する。地場業者の手の届かない落札価格になり結果的には住宅・マンション価格の高値に繋がっていく傾向がある。
今回、売却に供された国有地は大手ハウスメーカーが単独で落札するには広すぎる面積だったこともあって入札に参加したのは同組合のみ。結果的に標準的な落札価格で落ち着き、販売する土地価格も比較的安く抑えられた。
宅地販売する8社は、「グリーンタウン栄町東」として販売を始めているが、消費税再増税前の駆け込み買いが既に始まっていることから早期に完売すると見ている。宅地造成は来年5月末に完了、6月から徐々に戸建て住宅の建設が始まる予定。