給与計算アウトソーシングのエコミック(本社・札幌市)は、2016年1月から運用が開始されるマイナンバー制度に向けて、事業者に代わって従業員やアルバイト社員などのマイナンバーを収集する代行サービスを実施する。この代行サービスを通じて給与計算受託にも結び付けたい意向。(写真は、熊谷浩二社長)
マイナンバー制度は、2016年1月から始まり、16年度はまず源泉徴収票や支払調書、雇用保険の資格取得届・資格喪失届で記載が必要になる。17年度からは、健康保険の資格取得届・資格喪失届などでも記載が義務化される。
今年10月には国内に住民票があるすべての人にマイナンバーの通知が行われるが、多店舗展開している飲食店や小売店などでは漏洩リスクが高まる。マイナンバーの漏洩に関しては個人情報保護法よりも厳しい罰則規定があるため、場合によっては収集に関与した社員が罰せられる事態にもなりかねない。
さらに社員数の多い大企業などでは、免許証やパスポートなどによって本人確認もしなければならず導入時の事務作業は煩雑。また、年末調整では控除のために扶養者全員のマイナンバーも書かなければならず、事業者にとっては手間がかかり管理コスト増大に繋がる。
エコミックは、こうした収集作業を事業者に代わって行うサービスを始めるもので、制度開始時のみ対応する「イニシャル収集」とアルバイトなどの入れ替え時にも収集代行する「継続収集」の2つのサービスを実施する。
専用送付キットと身元確認資料との照合業務を行う「郵送版」は1回750円。スマートフォンやパソコンを使った「WEB版」は1回450円。同社では2106年度に1000社を目標にしている。マイナンバー収集代行を通じて給与計算や年末調整など本業の代行に繋げていく。
エコミックは、給与計算アウトソーシング業で日本唯一の上場企業(札証アンビシャス市場)。取引社数と人員は450社7万人、年末調整では600社30万人の処理を行っている。上場企業の受託実績は90社にも及び個人情報管理についての信用力がある。
なお、同社は8月31日から本社を札幌市東区から中央区大通西8丁目1―1、朝日生命札幌大通ビルの3、4階に移転して営業を始める。電話番号は011・206・1945(代表)に、FAX番号も011・206・1447に変更される。