IMG_9695 札幌経済を支えている名士たちの家が消える――7月に報じた老舗企業、福山醸造社長邸宅に続いて、今度は北海道エネルギー社長の実家邸宅が取り壊されて賃貸マンションに生まれ変わる。勝木紀昭現社長の実父、郁郎氏の自宅で築50年以上が経過、老朽化が激しいためで資産の有効利用にも繋げる。雪が降るまでに取り壊し、来春の雪解け後にも着工する。(写真は、間もなく取り壊される勝木郁郎氏の邸宅。左は既に敷地有効利用で建設されている賃貸マンション)
 
 北海道エネルギーは、2008年1月に勝木石油の持ち株会社カツキと太平洋石油販売が合併して設立された、現在の資本構成は、カツキ50%、JX日鉱日石エネルギー50%。
 
 勝木石油は、1930年に奈井江村で創業、36年には札幌に本社を移した。その後のモータリゼーションで業績を拡大、老舗の石油製品販売会社として地歩を築き、全国大手との合併を経て現在に至っている。
 北海道エネルギーの設立時は、「全国大手に地場大手が呑み込まれた」という評価もあったが、実態は逆で「地場が大手を呑み込んだ」というのが正しい。ほくさんや秋山愛生舘のように地場大手が全国企業に吸収されてしまうようなアライアンスとは一線を画している。
 
 取り壊されるのは、現社長、勝木紀昭氏の実父である郁郎氏の自宅。郁郎氏は札幌商工会議所副会頭を務めた経歴があり、紀昭氏も現在札商副会頭を務めている。
 
 札幌市中央区の南6条西14丁目にあるこの邸宅は、2階建てで62年に建設され今年で築52年目。ガス、水道なども老朽化していることから取り壊すことになったという。既に数年前に敷地内東側に11階建て賃貸マンションを建設しており、今度は母屋を同様の賃貸マンションに建て替える。戸数は38戸で東側と同じ11階建て、高さは33mになる予定。雪が降るまでに取り壊して、着工は来春。2年後には完成させる。なお、紀昭氏はこの邸宅とは別に住まいがある。


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