札幌市北区のJR札幌駅北口から近い「北8西1地区」の再開発計画が17日の札幌市都市計画審議会で承認されたが、建設される再開発ビルのうち医療福祉施設と商業施設にコージェネレーション(熱電併給システム)を採用することになった。既に北口周辺で行われている地域冷暖房と連携させエネルギー面から都市開発のモデルにするという。
北8西1地区の再開発計画は、約2haの敷地に高さ180mの高層マンション2棟や高さ60mの医療施設を併設したサービス付き高齢者向け住宅を建設する計画だったが、隣接する北九条小学校の日照時間が減少することから、事業主体となる予定の「札幌駅北口8・1地区市街地再開発準備組合」は高層マンションを1棟に減らす変更を決め、17日に開かれた札幌都市計画審議会で承認を得た。
再開発計画を大幅に変更することに焦点が当たっていたが、同再開発計画ではエネルギー面から先進的な取り組みを実施することにした。マンション地下に発電施設とその際に発生する排熱を利用して給湯や暖房に利用するコージェネレーションシステムを導入、医療福祉施設やマンション低層階の商業施設に使用する。
既に北7西1のSE山京ビル地下にある札幌市エネルギー供給公社が北口周辺のオフィスビルなどに地域冷暖房用の温水と冷水を供給しており、再開発ビルのコージェネレーションシステムと連携させることで自立分散型エネルギーのネットワーク構築を進める。
ビルの地下にコージェネレーションシステムを導入設置して札幌市エネルギー供給公社と温水や温熱を相互にやり取りするのは市内では初めてで都市開発の新しいエネルギーモデルとして期待できそう。コージェネレーションシステムは非常時エネルギーとしても強みがある。
再開発ビルは、2014年度に正式な再開発組合が発足して15年度に権利変換を経て着工、18年度に完成する。