
──観光の地域偏在も課題だと指摘されている。
唐神 地方空港の航空路線誘致では、機構が、地方の皆さんと力を合わせて推進していくことが大事だと思っています。地域が経済的に観光で盛り上がっていけば、その地域は潤います。地域力をつけるためにも、宿泊税で地域の観光を推進していかなければなりません。
──宿泊税の使途を含めて道庁の意識改革が必要だと感じます。
唐神 日本は観光立国を目指しており、北海道は、国内で5指に入る観光地。このポジションをこの先も継続するには、時代のニーズに合った施策を取り込んでいかなければなりません。そうしないと他府県に“観光負け”します。
──地域偏在以外の課題は。
唐神 季節偏在も課題だと思います。やはり、グリーンシーズン(春から秋にかけて営業する時期)の観光はまだまだ弱い。気候変動もあって、今年は、北海道も本州に負けないぐらいに暑かった。今まで道内は避暑地でした。自然の良い風が吹いて、暑い夏は北海道に避暑に行こうという感じだったのですが、他府県と差別化できなくなってきました。
このグリーンシーズンにどうやって集客するかを、私たちなりに考えてきました。北海道の自然の良さはもちろん、食などいろいろなことにフォーカスしてPRしていかなければ。修学旅行などの教育旅行ももっと誘致しなければいけないと思っており、各地域での体験メニューを掘り起こしたい。ファームステイ、農業体験にプラスしてホテルや旅館にも泊まってもらえるような修学旅行プログラムを組むことも必要です。
──会長としての目標は。
唐神 「北海道に行きたい」という人を増やすことが一番大事です。そのためにしなければならない取り組みは山ほどあります。それらの課題解決に取り組み、北海道の観光を盤石にするための足跡を残したい。
──Maasでは業界協調と踏み込んだリーダーシップが必要かと。
唐神 地域交通をまとめるためには、地域の方々の理解、とりわけバス会社の理解がとても大事です。いろいろな地域のバス会社にご理解をいただいて、実証実験をスタートするところです。
──前身の北海道観光連盟時代を含めて女性として初の会長です。
唐神 女性であることが幸いしているかどうか分かりませんが、皆さん、私の話によく耳を傾けてくださいます。地方のバス会社の社長さんにお会いしても、「そういうことをやったらいいよ」と背中を押してくださる。非常に協力的にやっていただいています。
──組織はトップの個性が非常に大事。唐神さんには、小金澤さんとは違った個性があると感じます。
唐神 改革という名のもとに小金澤さんが組織内にしっかり基盤を作ってくださったことは、すごく大きく、新会長としてそれを守っていく考えです。ご本人の残りの任期だった1年間を私がやらせていただいているので、小金澤さんが方針として位置付けた路線や考え方をすべて踏襲しています。そこにプラスして、この時代に合ったことをやろうと、観光インフラ部会を立ち上げました。
──2026年6月に改選がありますが、常識的には再任されるのでは。
唐神 私の今後の立ち位置や何をどのように進めていくかは、宿泊税がどうなるかが非常に大きい。道庁の観光予算は、私たちにとって一丁目一番地。これまでの事業予算は正直、全国的に見ても十分とは言えないものでした。来年度については、20億円を割らないよう道庁が納得できる事業メニューをしっかり出していきます。全員で北海道観光の価値向上に取り組む、そのためには、この金額が必要だということです。
──2026年度から宿泊税の徴収が始まります。
唐神 それまでに使途をはじめ道庁がやるべきこと、機構がやるべきことの棲み分けをしていかなければ。私たちには、広域DMO(広域エリアを対象に観光の戦略策定やマーケティングなどを一元的に行なう組織)という役割もあるので、その役割に沿って何ができるかを道庁に提案しています。(終わり)



































