通販大手ベルーナ(本社・埼玉県上尾市)の子会社グランベルホテル(同・東京都中央区)は、小樽市に道内8拠点目となる「小樽グランベルホテル」(小樽市堺町1-1)を、あす2025年7月18日(金)に開業する。歴史的建造物の多い小樽で、景観に溶け込むようにデザインされた外装と内装から、既にその場所に以前から建っていた雰囲気を醸し出す。札幌市内にある「グランベルホテル」とは異なる、個性を凝縮した新バージョンが登場する。(写真は、小樽軟石の地層面がデザインされた「小樽グランベルホテル」)
小樽運河の向かい側に立つ「小樽グランベルホテル」の外観デザインは、小樽が軟石を切り崩して開かれた街であることを象徴した1枚の写真がモチーフになっている。フロントロビーとレストランがある1階は、軟石の列柱が並ぶように、レストランから中庭まで見通せる構造とし、客室のある2階から5階は、軟石の地層、露天風呂とルーフトップBARのある6階は、地表面に建つ建築物をイメージした。
(写真は、窓が低い位置に配置された客室)
客室内部は、軟石の地表面をイメージし、採石場の内部にいるような空間になっている。窓は腰よりも低い位置に設けた横長の構造で、ベッドやソファに座った時に小樽の景観が見渡せるようにした。客室は全159室(332人収容)で64室あるハリウッドツイン(広さ18~21㎡)など7タイプがある。
(写真は、八角形をモチーフにしたデザインのレストラン)
(写真は、朝食ビュッフェで提供される料理)
1階レストランは、八角形をイメージしたデザインで、2人掛けのテーブル席を中心にカウンターを含めて約50席。朝食は、道産の食材を使用した地元メニューなど約70種類が用意された和洋ビュッフェ形式、昼食は海鮮丼、ハンバーガーなど、北海道の食材を使ったメニューを提供する。宿泊者以外も利用できる。
(写真は、露天風呂がある大浴場)
(写真は、灯台をモチーフにした木質ハイブリッド構造のルーフトップBAR)
6階の大浴場は、宿泊者専用で沸かし湯。白樺の木を配したサウナ室や石狩湾が展望できるインフィニティ風呂(縁が湯面と同じ高さにあって景色と一体化したように見える露天風呂)がある。同じく6階にあるルーフトップBARは、灯台をイメージした構造となっており、道産カラマツの木質ハイブリッド構造を採用。木質加工も北海道で初めて実施するなど地産地消を意識した。全面ガラス張りで半個室やテラス席もある。ここでは、小樽ビールや小樽ワイン、お酒と相性の良い一品も提供する。
(写真は、通路の奥に掲示された昭和の小樽)
(写真は、6階に掲示されている長さ6mの小樽の俯瞰図)
館内には、小樽市総合博物館が所蔵している2万点を超える小樽市内の写真や地図の中から選んだ数百点が展示されている。原画を複写、拡大したもので、館内通路の奥には、昭和の小樽の街並みを映した等身大サイズのモノクロ写真が掲示され、そのまま、その時代に入っていけそうな空間となっている。6階の休憩コーナーには、長さが6mもある古地図風の小樽の俯瞰図も掲示されている。
(写真は、小樽グランベルホテル・石本敬伍支配人)
2025年7月16日に行われた内覧会で、設計、施工を担当した大成建設のデザインチーム担当者は、「小樽市総合博物館所蔵の写真の中から、拡大してもピンボケしない写真を選ぶのに苦労しました。アートワークを通して、小樽の過去と今の繋がりを感じてもらい、居心地が良くて誰もが気軽に集えるホテルになってほしい」と話した。石本敬伍支配人は、「観光アクセスには抜群の立地で、小樽や北海道にお住いの方々のほか、全国、世界各地の方々に愛されるホテル運営を目指したい。地元の方々にもさまざまな協力をいただいて地域活性化に尽力していきたい」と語っていた。