「札幌パークホテル」流転の60有余年、建て替えのため2027年2月28日閉館

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 フジ・メディア・ホールディングス(本社・東京都港区)の子会社、サンケイビル(同・同都千代田区)グループのグランビスタ ホテル&リゾート(同・同)は、建て替え計画推進のため、2027年2月28日に「札幌パークホテル」(札幌市中央区南10条西3丁目1-1)の営業を終了する。(写真は、2027年2月28日閉館が決まった「札幌パークホテル」)

「札幌パークホテル」は、リコーの創設者、故市村清氏が率いる三愛グループが建設、「ホテル三愛」として、東京五輪が開催された1964年7月10日に開業した。地下3階、地上11階で客室数は216室、収容人数は357人。隣接する中島公園と一体的な整備がなされ、皇族や海外からの賓客が宿泊してきた札幌の名門老舗ホテル。

「ホテル三愛」は、その後に北海道炭礦汽船(北炭)グループの北炭観光開発に経営権が移り、1966年5月、「札幌パークホテル」に名称を変えた。北炭観光開発は、三井観光開発に社名を変え、親会社北炭の債務を引き受けるなどして債務が膨張して事実上、経営破綻に至った。
 2000年に入って、大和証券系ファンドが経営権を握るなどしたが、官民ファンドの企業再生支援機構が経営権を取得、2015年3月にサンケイビルが大株主になり、現在に至っている。

 サンケイビルは、2019年頃に、「ヒルトン札幌パークホテル」として建て替える計画を明らかにしていたが、その後、札幌市が進める大規模な国際会議や展示会・見本市を行えるMICE施設と一体化する案が浮上。しかし、コロナ禍でMICE計画が延期され、「札幌パークホテル」の建て替えも一時中断していた。

 今回、サンケイビルは、「札幌パークホテル」の営業最終日を2027年2月28日としたことで、市が進めるMICE計画も具体化していくことになる。中島公園周辺は、間もなく開業するアクサ生命のホテル・オフィス・商業の複合ビル「ライラックスクエア」とともに、2030年頃には、都心リゾートとして大きな変貌を遂げそうだ。

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