函館朝市と連携したホテルが、朝市に隣接した駐車場跡地に竣工した。「東急ステイ函館朝市 灯の湯(あかりのゆ)」がそれで、昨日27日にプレオープン、4月26日(月)にグランドオープンする。ホテルの所有者は中和石油(本社・札幌市中央区)。同社は「札幌大通」に次ぐ2棟目の「東急ステイ」の所有者になる。(写真は、「東急ステイ函館朝市 灯の湯(あかりのゆ)」の外観)

「東急ステイ函館朝市 灯の湯」は、JR函館駅から徒歩4分、函館朝市の駐車場跡地を利用して建設された。駐車場を利用することに朝市側は当初反対していたが、建築主の中和石油・杉澤謙次郎代表取締役が直談判、朝市との連携によるホテルを提案。杉澤氏が函館ラサール高校出身という縁もあって話は進み、同社は土地代込みで約30億円を投資、このほど竣工した。

 27日にプレオープンしたこのホテルは、東急リゾート&ステイ(本社・東京都渋谷区)が北海道エリア3店舗目として運営。鉄骨造、地上18階建て、延べ床面積1904・10坪(6294・53㎡)、客室数は175室。18階には、函館湾と津軽海峡を一望できる露天風呂付き温泉大浴場を設置。入浴した際に湯船の縁が見えないインフィニティ構造になっているため、外の景色と一体になったような感覚が味わえる。

(写真は、18階の函館湾が望める温泉大浴場の露天風呂)
(写真は、17階のラウンジ「カガヤキ」)

 17階のラウンジ「カガヤキ」は、函館山や金森レンガ倉庫を見渡すことができる、灯台に見立てた吹き抜け空間になっている。橋本夕紀夫デザインスタジオ(東京都渋谷区)がインテリアデザインを、ライトモーメント(同)が大きさの違うグローブペンダント照明などを担当した。ラウンジの運営は、中和グループの北海道ミルク工房(札幌市中央区)が行い、午前11時から午後3時までは宿泊者以外にも開放して、アイスとリキュール、ジャムを使ったプレートデザートを提供する。

 客室は、穏やかな海原を表現した「凪」と、灯光の温かな光を表現した「瞬き」の2つのテーマで構成。上層階のラグジュアリーツイン(7室)は函館湾を眺望できる温泉付き半露天風呂がある。各室に洗濯乾燥機とミニキッチンが設置してあり、函館朝市で購入した新鮮食材を料理することも可能。客室タイプは、「ハリウッドツイン」(面積21㎡、2人・3万7000円)、「コーナーツイン」(同33㎡、同5万5000円)、「ラグジュアリーツイン」(同34㎡、同6万3000円)。

(写真は、「ハリウッドツイン」の客室)

 また、1階には道産乳原料100%のアイスクリームと季節のフルーツなど、注文を受けてから作るアイスショップ「北からの贈り物・函館朝市店」(北海道ミルク工房運営)も入っている。函館では各ホテルとも朝食に特徴を持たせているが、このホテルでは函館朝市16店舗と提携、2500円程度の朝市定食を1600円程度で提供、館内での朝食提供を行わないようにした。

(写真は、1階に入っている「北の贈り物・函館朝市店」)

 3月27日から4月23日(金)までは、プレオープンプランとしてアンケートに記入すると、亀田郡七飯町の標津岳山麓から湧き出るミネラルウォーターと函館で初めて自家焙煎珈琲豆を販売した「函館十字屋コーヒー」豆をプレゼントする企画を実施している。



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