国内で約30ヵ所のホテルを展開しているWBFホテル&リゾーツ(本社・大阪市北区)は27日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約160億円。同社は昨年12月13日に札幌の四季をイメージした「ホテルWBFフォーステイ札幌」(中央区南3条西2丁目17ー17)をオープンさせたばかり。新型コロナウイルスの世界的な影響で宿泊客の激減が直撃した。(写真は、札幌市中央区の「ホテルWBFフォーステイ札幌」)
WBFホテル&リゾーツは、関西の中堅旅行会社ホワイト・ベアーファミリー(本社・大阪市北区)のホテル・リゾート運営受託のグループ会社として2009年12月に設立。北海道でも既存のホテルを買収して「ホテルWBF」として展開、新設ホテルも合わせ札幌市内5施設、函館市内3施設、釧路、旭川の両市に各1施設を運営していた。各ホテルともサービスや館内施設が充実、リピーター需要も多かった。
2019年3月期は47億8400万円を売り上げていたものの、近年はホテル開業の設備資金借り入れ負担が重く、金融機関と返済条件緩和の調整を行うなどしていた。そこに新型コロナウイルスの感染拡大による宿泊者減が響き、事業の見通しが立たなくなったため今回の申請となった。
同社には複数の企業が民事再生のスポンサー企業として名乗りを上げており、ホワイト・ベアーグループを離れて再建が進みそうだ。なお、昨年12月にオープンした「ホテルWBFフォーステイ札幌」の入り口には、3月15日付で『リニューアル工事のご案内』が貼られ6月30日まで全館休業することが記されており、再開は7月が予定されているが、新たなスポンサーの下、再開が進むかどうか注目される。また、小樽市の歴史的建造物である小樽商工会議所をリノベーションして活用する「ホテルWBFイルオナイ小樽」は、予定通り5月オープンを進めていくという。