加森観光は8日、韓国最大級のリゾート事業を展開する「大明(テミョン)レジャー産業VIVALDI  PARK」と業務提携すると発表した。相互の人材交流を進めリゾートの運営ノウハウを高めていくほか、それぞれのリゾート会員の利用促進を図る。薬膳料理などアンチエイジングに関わる事業分野でも共通で取り組んでいく考え。韓国では2018年に冬季オリンピックが開催されるため、スキーやスノーボードなどの人気が高まっている。加森のルスツリゾートは天然パウダースノーのため韓国の人工雪に比べて雪質が優れ、提携を通じて韓国人スキーヤーも呼び込みたい考え。(写真は、業務提携調印式を終えて握手する加森公人氏=左とアン・ヨンヒョク氏)
 
 加森観光が業務提携する大明レジャー産業VIVALDI PARKは、ソウルから77㌔の場所にある総面積344万8700坪の敷地を利用して3000室の宿泊施設やゲレンデ13コースのスキー場、18個のウォーターパーク施設を持つオーシャンワールド、ゴルフ場、各種のアクティビティー施設などを整備している。従業員は1803人。2009年度の売上高は2686億ウォン(約200億円)。年間500万人が訪れる韓国随一のリゾート。
 
 加森観光は、91年に韓国のムジュリゾートと姉妹提携を結んでいたが、ムジュの経営者交代によって提携関係が疎遠になったため、新たな提携先として大明VIVALDI PARKを選んだ。
 
 加森社長は、「大明VIVALDI PARKは、コンドミニアムやタイムシェアの会員が約2万人おり、その運営ノウハウは我々よりも高い。韓国内では11年連続して顧客満足度1位の座を確保しており、この提携を契機にまず従業員などの人材交流から始めたい」と語った。
 
 また、大明VIVALDI PARK本部長のアン・ヨンヒョク専務理事は、「加森観光は日本で最高の施設を保有するリゾート会社。ルスツとの業務提携でリゾートの運営とマーケティングを相互協力によって発展させたい」と述べ、韓国と北海道の観光客の行き来を増やすことにも期待感を示した。
 
 ルスツリゾートには年間1万人の韓国人観光客が訪れているが、大半はゴルフが目的。加森社長は、「薬膳料理などを提供してアンチエイジングの需要も創造していくほか、スキー客も呼び込み韓国人観光客を年間3~4万人に高めたい」としている。また、大明レジャー産業がルスツリゾートに投資することも歓迎するとした。
 
 加森観光は、中国の万龍スキー場とも提携しているが、日中のスキー交流とともに経営者同士のノウハウ交換に大きな実績があるという。大明レジャー産業との提携で加森観光は韓国ビジネスの吸収にも務める。


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