函館市末広町の旧安田銀行函館支店と隣接する旧はこだて西波止場美術館を、一体的にリノベーションしたホテル「HakoBA函館ザ シェア ホテルズ」が26日にグランドオープンする。京王電鉄(本社・東京都多摩市)と東京電力ホールディングス(同・同千代田区)が大株主のリビタ(同・同目黒区)が再生プロデュースしたホテルで函館ベイエリアの新名所になりそうだ。(写真は、26日にオープンする「HakoBA函館ザ シェア ホテルズ」)
1932年に建設された旧安田銀行函館支店は、市の景観形成指定建築物に指定されており、竣工から85年経過した現在でも当時の面影を残している。この建物は「ホテルニューハコダテ」として利用されていたが、7年前に閉鎖されていた。隣接する赤レンガ造りの「はこだて西波止場美術館」は、86年に建設された建物を2003年に地元の魚長食品を中心とするマルカツグループが美術館としてオープンさせたが、こちらも6年前に閉館していた。
リビタは、全国でリノベーションホテルを手掛けていることから、特色のある遊休建物2棟に着目。一体再生することで函館に相応しいホテルとしてオープンすることになった。
旧安田銀のホテルは、建築当初の内装を活かしたツイン・ダブルの個室タイプ19室(素泊まり1部屋1万4000円~)、プライベートテラス付のメゾネットタイプ1室で、昭和初期に流行したアール・デコ調の装飾がある梁や半円アーチ窓をそのまま活かしている。
旧美術館のホテルは、函館を象徴する赤レンガ色の木を使った2段ベッドの客室で2~6人の個室タイプ3種13室(素泊まり1部屋グループ20000円~)、ドミトリータイプ32ベッド(女性専用あり)がある。ホテルの収容人員は2棟で116人。建築面積は約238坪、延床面積は約604坪(いずれも2棟で)。
宿泊機能だけではなく、函館の食材を利用した飲食店や地域の人たちが参加できるイベントを開くオープンラウンジ、シェアキッチンなどのシェアスペースも整えている。宿泊者と地域の人たちが出会い、函館の新しい魅力を発信する場としても注目されそうだ。