スマホやタブレットを360度回転させると映像も同じように動き、その場にいるような感覚で現地を見ることができるバーチャルリアリティ(VR)技術を利用した観光アプリが開発された。美唄市は7月からこの観光アプリを提供、観光客誘致に役立て始めた。VR技術は、体験型ゲームのアプリなどに利用されているが観光発信に利用されるのは国内でも珍しい。IMG_6554(写真は、ダブルエムエンタテインメントの三田健太社長)

 開発したのは、VRコンテンツ企画制作や3Dパノラマ制作のベンチャー、ダブルエムエンタテインメント(札幌市白石区)。三田健太社長(32)は、大手電機メーカーを退職、2009年にこの会社を起業した。
 美唄市の観光アプリを制作するためタオソフトウェア(東京都)、キロル(札幌市)と協力。特殊なレンズを組み合わせた撮影機器であらかじめ観光地を撮影、スマホやタブレットの動きと同調するジャイロ機能を持たせることで臨場感のある映像を見ることができるようにした。市販されているVR専用ゴーグル(市販価格3000円程度)にスマホを取り付けると3Dに近い映像になりさらに臨場感がアップする。
 
 現在は同市の観光スポットである東明公園、宮島沼、ピパの湯ゆ~りん館、炭鉱メモリアル森林公園、それに名物の美唄焼き鳥という5つのコンテンツ。これまでの写真や動画とは違って自分の操作で360度のバーチャル体験ができるため、実際に現地に行っている感覚を体験できる。
 今後、5年計画で提供する観光スポットを20ヵ所まで増やしオールシーズンの映像やリアルタイムの映像を提供できるように整備する。同市では、本州での観光イベントや旅行エージェントに向けこの観光アプリを活用、観光客の入り込みを増やしていく。
 
 三田社長は、「観光で地方創生に取り組む自治体向けにこの技術を利用できるため、事業者や一般向けに観光地の魅力を深く知ってもらえようになり誘客に繋がるのでは」と話している。
 美唄市の専用ホームページは、http://www.city.bibai.hokkaido.jp/vr/


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