外国人観光客に道産農水産物やスイーツ、ワインなどの土産品としての消費拡大を促すことを目的に一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会北海道支部が23日、設立された。今年10月から外国人観光客の消費税の免税枠が拡大し食品や菓子、酒類にも拡大することから協会支部では道内免税店を増やす支援をしたり、外国人観光客がショッピングしやすいようにフリーWi-Fi(ワイファイ)の整備、販売時の多言語対応、クレジットカード利用対応などの整備を促し北海道経済の底上げを図っていく。(写真は、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会北海道支部設立の記者会見=写真左から協会代表理事の田川氏、支部長の吉田氏、協会理事の三宮継光・JCBシーインターナショナル社長、支部会員の北洋銀行石井氏)
ジャパンショッピングツーリズム協会(代表理事・田川博己JTB社長)は、昨年9月にJTBが中心になって東京で設立され、免税品を扱っているデパートや家電量販店など約40社が会員になっている。訪日外国人は昨年度1000万人を突破したが、増え続ける訪日外国人がショッピングするインフラは韓国やシンガポールなどと比べて大きく遅れている。実際、2年前の統計では韓国を訪れた外国人のショッピング消費額は6000億円だったのに対して日本を訪れた外国人の消費額は3000億円で倍の開きがある。
同協会では、昨年東京・新宿などで地域の百貨店や家電量販店が協調して訪日外国人がショッピングをしやすい環境を整えた「ショッピングフェスティバル」を開催、どこの店舗でどんな商品が揃っているかなどの情報を多言語対応アプリの配布で提供、京王百貨店が外国人向け福袋を販売するなど消費拡大に一定の成果があった。
今年10月からは消費税の免税枠が、これまでの家電製品や衣服等から食品、化粧品、チョコレート・スイーツなど菓子類、地酒・ワイン・焼酎の酒類にも拡大することから訪日外国人の消費が盛り上がるものと期待されている。
北海道支部が設立された背景は、東南アジアからの観光客が増え続けている北海道でこうした免税枠の拡大によって北海道の農水産物やスイーツ、酒類を土産として購入する消費が増えると見込めるため。支部が外国人向けショッピンクのインフラ整備を積極的に行っていくことで北海道の活性化に貢献していく。
同協会が支部を設けるのは北海道が初めて。「東南アジア各国からの旅行先として人気が高く、北海道の農水産物、スイーツは美味しいと評判。ビジネスチャンスを逃さないように販売体制を準備したい」(支部長に就いた吉田和吉JTB北海道社長)
会見に同席した支部会員の北洋銀行石井純二頭取は、「免税店を希望する小売業界への情報提供等によって免税店化を支援し外国人観光客の観光消費額を増加させることで北海道の地域経済の活性化を加速させたい」と語っていた。
支部は現在6社の会員だが、今後地場小売店などにも加入を働きかけて行く。支部では、今夏にも道内で試験的なショッピンクフェスティバルを開催、クルーズ船が入港する小樽などでも実施していく考えだ。
道内を訪れる外国児観光客は昨年度100万人の大台を超え2年連続過去最高だった。観光消費額は約1000億円でショッピング需要は約300億円と見られている。外国人観光客の消費インフラ環境が整備されればさらにショッピング需要はたかまりリピーターも増えることに繋がりそうだ。