北海道ゴルフ連盟(吉野次郎会長=元北洋銀行副会長)と北海道ゴルフ場支配人会(龍崎浅雄会長=札幌ゴルフ倶楽部由仁支配人)、一般社団法人日本ゴルフ場事業者協会北海道支部など道内ゴルフ関連3団体は1日、道の山谷吉宏副知事にゴルフ場利用税の廃止を求める要望書を提出した。要望書の提出は昨年に続いて2度目。全国で組織するゴルフ場利用税廃止運動推進本部と連携した一斉要望。吉野会長は、「スポーツ基本法が制定され、2016年からオリンピック種目にもなるゴルフに課税しているのは日本の自治体だけ。利用税がゴルフ人口増加の障害になっている」と廃止を求めた。(写真左は要望書を提出する吉野次郎氏=右と受け取る山谷吉宏副知事。写真右は道内ゴルフ3団体による要望陳情)
ゴルフ場利用税は、地方税法で定められた税。1989年の消費税導入時にボーリング、パチンコ、マージャン、ビリヤードなど娯楽施設利用税が廃止されたものの、ゴルフのみが「ゴルフ場利用税」として継続されることになった。当時は、まだゴルフが贅沢な遊びとして認識され利用者に担税能力があるとされたためだ。
しかし、バブル崩壊やリーマンショックを経てゴルフ人口が減少、ゴルフ料金も値下がりを続けゴルフ場の採算も悪化。さらに来年からは消費税の二段階増税も予定されているなど利用税が継続されればゴルフはますます敬遠されることになりかねない。
吉野会長は①スポーツ基本法の趣旨に反し、利用税がスポーツ振興を阻害②消費税との二重課税は不公平③ゴルフ場は雇用創出や物品購入で地域経済に貢献しているという3つの点から廃止を求めた。
要望書を受け取った山谷副知事は「消費税が導入されたなかで道の自主財源として数少ない中の一つがゴルフ場利用税。すぐに廃止というのは道の立場としては言いづらいが、こうした要望を受け全国知事会とも連携しながら国に対し地方財源の充実、税制制度全体のバランスの取れた見直しを求めて行きたい」と答えた。
ゴルフ場利用税は、ホール数や料金によって等級が1~11級まであり1200円~400円の幅がある。2011年度で約18億円の税収があり、道税収入全体の0・3%程度を占めている。約18億円のうち7割はゴルフ場のある市町村に交付され、例えば恵庭市には年間7000万円程度が交付されている。また、ゴルフ場が利用税を代理徴収していることの手数料として1・8%が交付され、残りが道の財源になっている。65歳以上は非課税対象。