北海道ゴルフ連盟や北海道ゴルフ場支配人会は30日、高橋はるみ知事宛てにゴルフ場利用税の廃止を求める要望書を提出した。全国のゴルフ関係団体が各都道府県に廃止を求める一斉行動の一環。高橋知事に代わって高田久知事室長が同ゴルフ連盟の吉野次郎会長から要望書を受け取った。(写真左は、要望書の説明をする吉野次郎会長、写真右は高田久知事室長に要望書を提出する吉野会長)
 
 ゴルフ場利用税は、1989年に施行された地方税。この年に導入された消費税に伴って、各種の娯楽施設利用税は廃止されたものの、ゴルファーには担税力があるとしてゴルフ場利用税だけが新たに設けられた。ゴルフ場の規模や料金によって利用税は幅があるが、一人当たり400円から1200円が徴収されている。
 
 2003年から18歳未満や70歳以上、身障者は非課税になった。当時は、ゴルフ場利用者全体の5%がこうした非課税プレーヤーだったが、その後高齢化社会が進展してきたことによって10年度では非課税プレーヤーは11・9%に拡大。一方で全体の入場者は減少傾向を続けていることから、要望書では「ゴルフ場利用税がゴルフというスポーツの参加を阻害する要因になっている」と指摘している。
 
 課税のもうひとつの理由として、ゴルフ場開設時やその後の運営において、道路の取り付けや水道の提供など特別な行政サービスを受けており、そのコストに対して課税するという応益税の考え方がある。これに対しても、要望書では「ゴルフ場が他の競技施設や事業所と比較して特別に行政サービスを享受していることはない。逆に、ゴルフ場による雇用や物品販売など地元経済に貢献している」と反論している。
 
 また、昨年施行されたスポーツ基本法は、国や地方公共団体、スポーツ団体はスポーツを振興する責務があると規定、さらに国民がスポーツに参加できる環境を整備して促進する努力も促している。要望書には「スポーツ基本法に基づきスポーツ振興を阻害する要因は取り除かれるべき。ゴルフ場利用税は、世界でも例を見ないものでゴルフというスポーツの振興を阻害している」と主張している。
 
 吉野会長から要望書を受け取った高田知事室長は、「ゴルフ場利用税は、都道府県が徴収し市町村に70%を交付するもので北海道の場合、昨年度で18億円の税収があり、13億円が自治体に交付されている。ゴルフ場の多い北広島市には1億8000万円、恵庭市には7000万円というように地域にとって貴重な財源になっていることもご理解いただきたい」と述べた。
 
 吉野会長は、「全国で130万人の署名が集まっている。早く廃止してゴルフをスポーツとして楽しむ人口を増やす環境を作るべき。ゴルフ場利用税は『ゴルフは富裕層が楽しむもの』という名残りで、プレーする人に割高感がある」と語った。
 この要望行動は、全国のゴルフ連盟や支配人会など27団体が30日に各都道府県に対して一斉に行っている。


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