札幌地裁に民事再生を申し立てた札幌南ゴルフクラブ駒丘コースとコースを所有する定山渓ゴルフ場の第2回債権者説明会が12日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。新たにスポンサーとして名乗りを上げたキタコーと当初からスポンサーを希望していたカネシメ高橋水産が、集まった約500人の会員を前に再生計画の素案を提示した。債権者である会員は、2社の発表を基に20日までにどちらを選ぶか郵送で回答、申し立て代理人の弁護士がこの回答を参考に正式スポンサーを決定する。(写真は、会場となったホテル札幌ガーデンパレス)
会場となったホテルには、土曜の午前9時という開始時間にもかかわらず債権者である預託金会員約500人が集まりほぼ満杯の状態。
スポンサー2社は再生計画の素案を提示し、会員に選択してもらうプレゼンテーションを実施。カネシメは、第1回債権者集会(12月2日開催)で会員債権の配当率を10%程度としていたが、今回は15%にアップ、コースを所有する定山渓ゴルフ場が北洋銀行から借りて入れている金融債権2億円5000万円のうち担保の付いた別除権債権は時価評価した約1億円について分割返済を念頭に協議中とした。
一方、キタコーは会員への配当率14%、北洋銀の金融債権については一括返済の案を示した。また、同社が運営するダイナスティゴルフクラブと業務提携して相乗効果を高めることも提案した。2社とも会員のプレー権は保護する。
また、コースへの投資に関しては、カネシメが初年度5000万円、2014年度以降4年間は1000万円ずつの総額9000万円の案を示し、キタコーは初年度に6000万円、14年度2000万円、その後の2年間は1000万円ずつで総額1億円とした。
一般的なゴルフ場の民事再生案件では、会員の預託金債権に対する配当率は5~7%程度。札幌南GCのスポンサー候補2社はいずれも3倍近い配当率を提示しており、そのうえ別除権債権が残るとすれば今後の経営にはかなりの重荷になる可能性もある。
説明会は約2時間半に及んだものの、参加した会員から経営責任を追及する声はなく淡々と進行。会員は、今回の説明会を参考にどちらのスポンサーが再建を担うことに適しているかアンケート方式で答えて申し立て代理人に郵送、代理人はこのアンケートを参考に最終決定する。
なお、札幌地裁への再生計画案の提出期限は2月1日になっている。