札幌市内で賃貸用オフィスビルやマンションなどを経営するキタコー(旧北日本興業)が、北広島市の「セントレジャーゴルフクラブ札幌」と「セントレジャー北広島スキー場」を取得する。取得価格は1億数千万円。4月15日に正式譲渡を受ける。
セントレジャーゴルフクラブ札幌と北広島スキー場は、元々札幌後楽園カントリークラブと後楽園スキー場として運営されていた。
同クラブとスキー場は、2007年にモルガン・スタンレー不動産ファンドの関連会社、セントレジャー・オペレーションズが取得し運営してきた。
札幌後楽園カントリーは、会員制ゴルフ場だったが、入場者の減少やプレー費の値下がりで経営難に陥り、会員の預託金を全額返還したうえでモルガン系ファンドに売却された。
当時、多くのゴルフ場が会員預託金の償還期を迎えていたが、大半が民事再生など法的整理に追い込まれたり、償還期限を延長するなどしており、札幌後楽園カントリーのように預託金を全額返還したゴルフ場は珍しい。
札幌後楽園の預託金は一口80~100万円で会員数は約1000人。返還金の総額は8~10億円に及んだ。
セントレジャー・オペレーションズは、全国にゴルフ場7ヵ所、スキー場2ヵ所などを持つが、今回売却を決めたのは道内のゴルフ場とスキー場のみ。
セントレジャーゴルフクラブ札幌は、年会費1万円の年次会員制を取り、実質的にはパブリックのゴルフ場。コースはキャディの付かない電動カートを利用したセルフ制。GPSの付いたカートでピンまでの残りの距離が分かるため、このサービスは好評だという。
今回、ゴルフ場を取得したのはキタコーの出資子会社、マインズコーポレーション。キタコーは、かつてサンパークゴルフコースや喜茂別のゴルフコースなどにも取得意欲を見せたことがあるが、実際にコースを取得して運営するのは今回が初めてとなる。