一般社団法人に移行した北海道ファシリティマネジメント協会(略称・HFMA)の第1回通常総会が20日、京王プラザホテル札幌で行われた。会員ら約100人が出席し2012年度事業報告や収支決算報告、13年度事業計画などを了承した。その後、総務省行政評価局総務課政策評価審議室の小島卓弥上席評価監視調査官が『ファシリティマネジメントの自治体での事例』をテーマに特別講演を行った。(写真は、沖塩壮一郎氏=左と小島卓弥氏)
総会では、HFMA会長の青木忠一NTTファシリテーズ北海道社長が議長を務め、12年度の活動報告として東日本大震災の復興状況視察、復興支援として宮城県石巻市、南三陸町を訪問したことや指定管理者セミナーを2回実施したことなどが報告された。12年度末の会員数は156社。
HFMAは、任意団体からスタートして今年で20周年迎えることから、国内にファシリティマネジメント(FM)の考え方を導入し日本ファリシリティマネジメント協会(JFMA)の設立に尽力した元電電公社職員で東京理科大名誉教授の沖塩壮一郎氏も出席、「FMは日本が元気になるヒントが詰まっている」と挨拶した。
特別講演では、小島氏が「公共施設の有効利用を考えるうえでFMは欠かせない」としたうえで、つくば市役所の新設で活用したFMの手法や南魚沼市が合併により不用になった旧塩沢町の議場にヤマト運輸のコールセンターを誘致した例、栃木県那珂川町の廃校を利用したフグの養殖など遊休施設の活用している例を具体的に紹介した。
小島氏は「自治体の厳しい財政状況は今後も続く。行政の常識が公共施設の有効利用を妨げている。公共施設の見直しはまだまだ未開拓な分野で見直しの余地は大きい。自治体の実情に合わせFMの考え方を取り入れればさらに有効利用が進められるのではないか」と語っていた。なお、小島氏の特別講演には道庁や札幌市役所から約20人が出席、小島氏の講演に耳を傾けた。