北海道FM協会でNTTデータMHIシステムズ竹内俊一社長、京都超SDGsコンソーシアム染川聡一郎氏が講演

ファシリティマネジメント

 一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(略称HFMA)は、7月20日に札幌市中央区の「ニューオータニイン札幌」で「令和4年HFMA特別講演会」を開催した。NTTデータMHIシステムズ(本社・東京都港区)社長の竹内俊一氏が、「社会に変革をもたらすITトレンド」、元リコー理事で京都SDGsコンソーシアム事務局相談役の染川聡一郎氏が、「持続可能な中山間地域創造」をテーマに京都市京北での取り組みを紹介した。(写真は、講演するNTTデータMHIシステムズ社長・竹内俊一氏)

 竹内氏は、ファッションブランドやグローバルな自動車メーカーのロゴが2015年頃から、以前の意匠性のあったデザインから一斉にシンプルなデザインに変わったことに触れ、「2007年にiPhoneが登場してからスマートフォンが広がり、多くの人がスマホを持つようになった。パソコンやテレビの画面からスマホの小さな画面がよく見られるようになったため、その画面で訴求できるようにするためシンプルなデザインに変わった」と述べ、iPhoneがデザインの世界も変えていることに言及。「iPhoneの登場が現在のクラウド革命、デジタル革命の嚆矢(こうし)になった」とも話した。

 また、「DXに必要なテクノロジーは、クラウド、AI、5G」とした上で、5Gについての課題を説明。「4Gの基地局は2~3㎞の間隔で建てるが、5Gの基地局は800m間隔とされている。これまでの基地局は、人口密度の高いところに基地局を建てていたが、5Gは自動運転などを視野に入れているため、人口密度の低い地域での必要性が高い。そういう地域で800m間隔で基地局が必要になることが、これまでの3G、4Gと全く違うところ。そこも普及を抑えている課題でもある」と話していた。

(写真は、講演する京都超SDGsコンソーシアム事務局相談役・染川聡一郎氏)

 続いて元リコー理事で京都超SDGsコンソーシアム事務局相談役の染川聡一郎氏が、「持続可能な中山間地域創造」をテーマに京都市京北での取り組みを紹介。京都超SDGsコンソーシアムは、2019年に京都大学、京都市、リコー、JT、安田産業の産学公の5者でスタートした京都SDGsプロジェクトの実行部隊で、SDGsの社会実装を目的として取り組みを進めている。その活動の一つが京都市京北で行われている持続可能な中山間地域創造。染川氏は、「旧京北第一小学校を利活用するプロジェクトが動き始めており、ここをSDGsバレーと名付けてラボにしようと取り組んでいる。『ことす』(ことをなすの意)とネーミング、ワーケーションやパラレルワークのほか教育やコミュニケーションの場、高齢者の健康維持ステーションなどに活用して持続可能性の追求をしている」と説明。
 
 その他にも、マイクロファインバブルを使ったアマゴやアユの養殖、京北で出てくる生ごみを使ったバイオプラントの実証実験も行うなど「持続可能な京北を創造するにはどうすればいいかをみんなで考えている」と話した。染川氏は、「ラボとしてまだまだだが、一つの事例をつくって全国で水平展開できればと考えている。大学と企業、行政の“産学公”で学がイニシアチブをとって動くと本当にうまく進む。もう一つの要素は、強力なキーパーソンが必要ということ。京都超SDGsコンソーシアムでは、パッションと強力なネットワークを持つ40代女性の京大准教授がメンバーになっていることが大きい」とキーパーソンの重要性も説いていた。

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