一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(会長・星野尚夫札幌振興公社社長、略称HFMA)は22日、23日の両日、札幌市北区の北海道大学工学部A101教室で平成27年度ファシリティマネジャー資格試験に向けた実力養成講座を実施した。女性5人を含む27人が受講、7月の認定ファシリティマネジャー資格試験に向けて講師陣の講義に耳を傾けた。IMG_5278(写真は、23日の実力養成講座で講義する松成和夫氏)

 ファシリティマネジメント(FM)は、米国で生まれた企業や団体の経営管理手法。企業、官公庁、民間団体などが保有する施設やその利用環境などを効率的に運用して最大のコストパフォーマンスを目指す経営管理活動。建物や施設の長寿命化もFM的な手法で最適解を求めることが有効とされている。
 
 認定ファシリティマネジャーは、こうしたFM活動を実践的に取り組める能力を公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(略称JFMA)が認定する資格試験。1997年から実施され、今年で19年目になる。昨年度までに全国で約6500人、道内では約270人が認定ファシリティマネジャーの資格を得ているが、公共施設の建て替え時期が一斉に訪れようとしていることや東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて建物新設が相次ぐことも予想されており、JFMA、HFMAは認定ファシリティマネジャーを倍増する取り組みを進めている。
  
 22、23日にHFMAが開催した実力養成講座を受講したのは札幌市内の建設会社や施設管理会社などの27人。「FMとは」という入門編から「FMのプロジェクト管理」「各種施設とFM」などの応用編、演習問題までをプロコードコンサルティング代表の松成和夫氏やMRI松岡総合研究所代表取締役の松岡利昌氏、北大大学院工学研究室教授の羽山広文氏、日本郵政不動産企画部部長の似山志朗氏の4人が2日間で合計12時間の講義を行った。
 
 松成氏は、「米国ではCRE(コーポレート・リアル・エステート=民間不動産)、PRE(パブリック・リアル・エステート=公共不動産)とFMが分かれていたが、最近はマイクロソフトやIBMでも両者を融合する組織が生まれている」と述べ、建物・施設の保全とオペレーション、メンテナンスを一体的に考えて行く取り組みが主流になっていることを紹介していた。
 本試験は7月5日(日)に全国9会場で実施される。合格発表は9月1日。合格率は40%弱。


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