(写真は、エゾシカの革で制作した小物類)
獣皮のなめし加工ができる企業を探す中で、豚革を中心としながらも日本各地から送られてくる鹿やイノシシ等の皮をなめして地域へ戻す取り組みを行っている山口産業(本社・東京都墨田区)に出合う。その会社を訪れた佐藤さんは、エゾシカの革製品を作りたいという想いを山口社長にぶつけた。「協力します」。社長は答えた。
2025年3月、佐藤さんは、地元で砂利採取業の他に養鹿事業も手掛けている北泉開発からエゾシカ獣皮6枚を仕入れ、冷凍にして山口産業に送った。1ヵ月後に革が届いた。その革を札幌の革製品加工会社に送り、財布など小物を作ってもらった。もう後戻りはできない。佐藤さんは、株式会社ezothicalを資本金100万円で設立した。
佐藤さんは、これまでの経過と今後について、釧路商工会議所100周年を機にスタートした「KCボード」(地域課題の解決に取り組む事業者とそれを支援する企業や個人をつなぐ仕組み)でプレゼン、「釧路共助プロジェクト」の認定を受け、支援者から出資を受けることになり、2025年12月、資本金は800万円に増資した。
山口産業での革作りは、3回目に入っている。その過程で、多くの気づきがあった。冬の獣皮は伸びるが、夏の獣皮は伸びないこと、個体差によって色合いが違うことなどだ。試行錯誤を繰り返しつつ、佐藤さんの想いはより強くなっている。「エゾシカ獣皮の仕入れは、北泉開発、鶴居村の業者などの3ルートで、近い将来には、1万枚の獣皮調達が可能になると思う。道内では、潜在的に5万枚は調達可能なので、一部は、海外に輸出することだってできるかもしれない。釧路をエゾシカ革製品の拠点にしたい」。2026年は、スポット的にエゾシカ革製品を販売し、2027年には、収益化を計画している。ezothicalの社名は、Ezo=エゾ、Ethical=エシカル、Essential=エッセンシャルを組み合わせたもの。もちろんエゾシカの韻も踏ませた。15年前、佐藤さんが抱いた漠然とした想いが、時を経てリアルな輪郭を描き始めた。



































