札幌在住でアルペンスノーボート・ナショナルチーム(強化指定選手)の住永翔吾さん(18)が、昨シーズンに続き、今シーズンも国内外の大会に出場する。昨年、初めての海外遠征では、アメリカ・デンバーの大会1位やカナダ・モントリオールのジュニア大会2選で1位、2位を獲得するなど、力をつけてきた。今シーズンは、国内外のジュニア選手権優勝を目標に掲げる。7年後の2030年冬季五輪出場を目標にする住永さんに、スノーボードを始めたきっかけや魅力、目標などについて聞いた。(写真は、昨シーズンの海外遠征のゼッケンなどを前にする住永翔吾さん)
ーースノーボードを始めたきっかけは何だったのですか。
住永 東京に住んでいた4歳の頃、両親が山梨県笛吹市の「カムイみさかスキー場」にそり遊びに連れて行ってくれました。人工スキー場なのですが、そり遊びをしている横で、スノーボードをしている人たちを見て、僕もやりたいと思ったのがきっかけです。やり始めたらのめり込んでいきました。6歳でスノーボード検定を初めて受けて、3級を取得。小学2年で1級に挑戦して受かりました。
ーー小学2年で1級は難しいのでは。
住永 体重も軽いし、カービングターンでは、雪を掘らないと回れないので、大人でも難しいと思います。両親は、最初は安全のために一緒に付いて滑ってくれましたが、いつの間に追い付くこともできなくなって、一人で滑るようになりました。1級を取ったのは、当時通っていたスノーボードのスクールでは最年少でした。趣味として楽しんでいる中で、1級が取れたことがモチベーションになり、スノーボードがより楽しくなっていきました。
スノーボードのスクールには、同じ年代の仲間も3人ほどいて、互いに級を取って技術を高め合う仲だったことも大きかったと思います。1級を取ったシーズンの終わりに、スノーボードスクールの校長から、「スクールのテクニカルの大会に出てみないか」と誘われて、出場しました。競技の単純なルールしか理解していませんでしたが、楽しもうと思って滑ったところ優勝しました。
ーースノーボードをする前は、どんなスポーツをしていましたか。
住永 4歳の頃ですから、とにかく体を動かすことが好きでした。両親はともにバレーボールをしていたので、その影響で少年バレーボールチームに、一時期入っていたこともあります。
ーー小学校時代に、周りでスノーボードをしている人は少なかったのですか。
住永 小学校では多分、僕しかやっていなかったと思います。雪のない関東でしたし、わざわざ(山梨まで)行く人もいなかったからでしょう。
ーーご両親は、応援してくれましたか
住永 父親は、上達するには「滑れ」という人だったので、小学生の頃はとにかく滑らされました。朝、ゲレンデがオープンしてから、ナイターが終わるまで、何十回と滑りましたね(笑)。スノーパークイエティ(静岡県裾野市)は、オールナイトですから、小学生なのに22時くらいまで数えきれないほど滑っていました。
ーー苦ではなかったと。
住永 苦でなかっとは言い切れませんが、滑ると楽しくなってきて、「こうしたいな」などと考えているうちにどんどん時間が過ぎていってしまいました。ただ、イエティのリフトの速度が遅くて、1本滑ってリフトで上がっていく間に身体が冷えてしまい、「寒い」と泣いたこともありました。いずれにしても、イエティはたくさんの思い出があるスキー場で、僕の原点と言ってもよい場所です。