調剤薬局やドラッグ&コスメの専門店を子会社で運営しているアインホールディングス(HD、本社・札幌市白石区)の社外取締役に、北海道日本ハムファイターズ前監督の栗山英樹氏(61)が就任する見通しだ。7月28日の同社株主総会で正式就任する。(写真は、アインホールディングス本社)
栗山氏の社外取締役招聘に動いたのは、アインHDの大谷喜一氏社長(70)。アインHDは北海道日本ハムファイターズのスポンサーで、栗山氏が2011年に監督に就任して以降、接点があった。ここ5~6年は年に1~2度食事をするなどして交流を深めてきた。大谷氏は、枝幸郡浜頓別町出身で、地元中学校に通っていた時は野球部に所属、ピッチャーだった。キャッチャーだった同級生と野球の名門、北海高校(札幌市豊平区)にペアで進学、野球部に入った。当時の野球部員は140人。ベンチ入りできるのは14人で、「北大に入るより、北海高校の野球部でレギュラーになる方が難しい」(大谷社長)と言われた時代。大谷社長はセカンドでレギュラーを務め、夏の甲子園に向けて北海道大会にも出場。決勝戦で三笠高校と対戦したが惜しくも敗れ、甲子園出場を逃した。
中学、高校時代と野球に熱中したことから、起業してからも野球との関わりは続いている。母校が甲子園に出場すれば毎回応援に出向き、日ハムの試合は年間40試合以上観戦する。そんな大谷社長と「フィロソフィーが同じ」と感じたのが栗山氏だった。栗山氏は2004年4月に白鷗大学(栃木県小山市)の経営学部助教授に就任し、2008年4月から同大教授を務めている。2022年4月からは北海学園大学特任教授にも就任した。「監督時代に培った組織のガバナンスや人材育成の知識、経験を当社で生かしてもらいたいと思いお願いした」と大谷社長。同社は取締役の若返りを図っており、特に若い世代に栗山氏の経験を伝えてもらいたいと大谷社長は考えている。
株主総会で承認を経て社外取締役に就けば、月に1度の取締役会に出席、経営方針や企業戦略の意思決定、業務執行の監督機能も担うことになる。アインHDの取締役の任期は1年だが、もちろん再任もある。栗山氏は、2022年1月に日ハムプロフェッサーにも就いたが、企業の社外取締役を務めるのは初めてとなる。