すすきの観光協会会長の故・篠田政一(まさかず)氏の通夜が10日午後7時から札幌市中央区の中央霊堂で行われた。行政や経済界関係者、すすきの飲食店関係者など約600人が参列して故人を偲んだ。葬儀委員長の三澤聖一すすきの観光協会副会長は、「志半ばの突然の訃報だった。すすきのにとって大きな損失」と挨拶した。IMG_4049(写真は、葬儀委員長として挨拶するすすきの観光協会副会長の三澤聖一氏と喪主の篠田江里子氏)

 篠田氏は4月22日、自身の会社である千両ビル(南7西3)で倒れ、札幌医科大学附属病院に入院。2週間後の5月7日に同病院で死去した。70歳だった。当初は劇症心筋症と診断されたが、その後大動脈弁狭窄症であることが分かった。
 篠田氏は、札幌南高から同志社大文学部に進み卒業後に2年間、アパレルメーカーのミカレディに勤めた後、さっぽろ東急百貨店のオープンに合わせて同社に入社。2階フロア長を経て1988年に家業の千両ビル代表取締役に就任した。
 98年にすすきの観光協会専務理事、2005年副会長、06年から会長。夫人は東区選出市議で3期目の篠田江里子氏。

 通夜の会場は、用意された600の椅子席がすべて埋まり、周りの壁を取り巻くように供花が並べられた。行政や商業の関係者だけでなく、すすきのの飲食店関係者も多く参列、幅広い人たちから慕われていたことを窺わせた。

 中学、高校、大学が同窓で葬儀委員長を務めた三澤氏(セリオむすめや社長)は、「すすきのの人たちやお店、雰囲気に愛情を持っていた。すすきのの発展に寄与された」と挨拶。2014年11月に死去した南高同級生で元北海道振興社長だった久末聖治氏との関係に触れ、「久末さんがすすきの観光協会会長に就任した時、専務理事として補佐していたのが篠田さんだった。2人は親友同士でまるで夫婦のように強い繋がりがあった」と話した。

 篠田氏は06年に会長に就任したが、10年以上に亘って会長職を務めたのは篠田氏が初めて。「お酒が好きでヘビースモーカーだったが、入院歴もなく健康だった。まだまだ、すすきのの発展に貢献したいと思っていたはず。本人にとっては夢の途中、志半ばだったのではないか」と三澤氏は篠田氏の死を悼んでいた。



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