札幌の娯楽の聖地として親しまれた札幌市中央区南3西1の「スガイディノス札幌中央店」が2日午後11時、閉店した。現在のビルが竣工してから50年、前身の芝居小屋から数えて100年間、札幌のエンターテインメントの歴史をつくってきた殿堂が幕を閉じた。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(全員で「スガーイ ディノース」と掛け声をかける中、シヤッターが閉まった=写真)
(写真は、挨拶するスガイディノスの小笠原一郎会長。右は三浦尚久社長)
「スガイディノス札幌中央」ビルはスガイディノスの前身、須貝興行の自社ビルだったが須貝興行のM&Aなど変遷とともに所有者が次々と代わり、現在は店子。ビルの建て替えが迫っていることもあってビル所有者との賃貸契約が切れるタイミングでの完全閉店になった。
(大勢のファンが別れを惜しんだ=写真)
この日、午後10時から札幌中央店1階の正面玄関付近で行われた閉店セレモニーにはファンら数百人が集まった。
スガイディノスの三浦尚久社長は、「日曜日の遅い時間にこんなにたくさんの人が来てくれてありがたい。規模は小さくなっても皆さまの熱い気持ちに応えて再開したい。できるだけ早い段階で皆さまに良いお話ができたらと思う」と挨拶。
続いて小笠原一郎会長は、「50年間、この施設を利用していただき感謝している。皆さまのおかげで成り立ったゲームセンター、映画館、ボウリング場という文化だった。その文化を背負っている企業という責任を胸にこれからも活動していきたい。今後は未定だが、水面下で他の場所での再開に向け交渉している」と述べ、早期再開を目指していることを明らかにした。
セレモニーには、一般社団法人北海道eスポーツ協会関係者や、札幌市出身で元祖プロゲーマーの高橋名人なども参加した。午後11時になると、小笠原会長の音頭で集まったファンたちを含めた全員で拳を振り上げ「スガーイ ディノース」と叫ぶ中、静かにシャッターが下ろされた。シャッターが閉まると集まったファンたちからは拍手や「ありがとう」の声が巻き起こった。
スガイディノスの他の店舗は通常通り営業を続けており、「札幌中央店」は早期に狸小路商店街など中心部で代替店舗を再開する方向。
(店舗前には身動きできないほどの人が集まった=写真)