国の重要文化財である「札幌市時計台」(北1西2)の指定管理者にマンション管理のエムエムエスマンションマネージメントサービス(本社・札幌市)が選定された。過去8年間は一般社団法人札幌市友会(退職した市職員で構成される組織)が指定管理者だったが、初の純粋民間企業参入になる。指定管理期間は2014年4月1日から18年3月末までの4年間。(写真は、エムエムエス社が指定管理者として運営することになった札幌市時計台=2013年12月16日午後撮影)
公共施設の管理運営を官が直接行わず、民間の知恵と経営ノウハウを有効活用して経費削減や施設の利用度向上に結び付けて行くのが指定管理者制度。
札幌市時計台は、市の代表的な観光施設で札幌の顔とも言えるもので、過去2回に亘る指定管理者の選定ではいずれも札幌市友会が選ばれていた。
エムエムエスマンションマネージメントは、民間マンション等の管理会社だが、札幌市営住宅の指定管理者にも選定されるなど、公共施設の指定管理に前向き。今回、来年4月から4年間の指定管理者更新に当たり札幌市時計台の管理運営に応募、札幌市友会と同社の2団体による選定作業が進んでいた。
選定委員会のメンバーは、5人で角幸博北大名誉教授が委員長を務め、前川公美夫・公益財団法人札幌市生涯学習振興財団理事長が副委員長、大鞭基弘公認会計士、秋村文雄社会保険労務士、杉本雅章札幌市観光文化局文化部長がそれぞれ委員。選定委員に市の関係者はOBを含めて2人入っていた。
選定結果はエムエムエス社が総合評価点数で197・65点、市友会は183・68点となりエムエムエス社が新しい指定管理者になった。過去の指定管理実績を含むその他の点数では12点も離されていたが、施設の効用発揮や安定経営能力、管理運営費の縮減でエムエムエス社は得点を上積みし総合点数で市友会を上回った。
エムエムエス社の堂守貴志社長は、「時計台は札幌のシンボルなので責任の重さを痛感している。市友会のノウハウを継続しながら知恵を出して地域貢献できるように努力していきたい」と語っている。